本セミナーでは、シリサイド系材料を用いた熱電素子やモジュールの特徴や開発動向、また自動車排熱回収技術動向について解説いたします。
現在、300〜500℃の排熱を利用付加価値の高い電気エネルギーに変換する環境低負荷・生体適応型で、かつ高い変換効率 (10%以上) が期待される次世代環境低負荷型熱電変換材料の開発が行われています。排熱発電の重要な用途として自動車がありますが、欧州では2025年に極めて厳しい自動車向けCO2排出規制が導入されます。また、途上国での爆発的な自動車需要の増加は従来エンジンによるものが大多数であり、2030年時点でも生産台数のおよそ90%が燃焼系のエンジンを搭載すると予測されています。こうしたことから、自動車向け排熱再資源化へのニーズは近年極めて大きいものとなりつつあります。本セミナーでは、欧州、米国で活発化する、実用向け環境低負荷型シリサイド系熱電変換技術の技術開発動向、特に2013~2014の最新動向について詳細に解説します。 環境低負荷熱電発電材料であるシリサイド系材料は、2010年頃より欧州・米国でも主要な熱電変換材料として位置づけられており、自動車への搭載を目指した積極的な開発プロジェクトが立ち上げられ、最も注目されている材料です。材料と発電素子は日本の会社より販売されており、今年同じく日本のメーカー2社からリリースされたMg-Si系ユニレグモジュールは、十分な発電能力を有しており、サンプル提供が始まっています。また、Mg-Si系とMn-Si系を組みあわせたモジュールの開発も行われています。これら、発電素子、モジュールについて、特徴や、新しく導入されたモジュール構造、他の熱利用発電技術と熱電変換技術の組み合わせ、現在予定されているフィールドテストの内容などについて詳解します。さらに、先導役の欧州および米国での開発の進捗と今後の可能性、および国際標準化を視野に入れた欧州自動車向け排熱発電プロジェクト等の海外R&D動向について、公開可能な最新の情報をわかりやすく、かつ詳細に解説します。