最近のFDA査察指摘事例と当局要求対応

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第1部:『最近GMP-FDA査察・事前対応指摘事例と改善および経営者としての視点』

(2014年5月28日 10:30〜13:00)

年々厳しさを増すFDA査察において、査察準備、査察官への対応、当日対応、そしてForm483 (Observation) やObservation (Recommendation ) 指摘回答への実際例など、査察をパスさせるための重要なポイントにつき講演する。
また、共同講師となる坂出藤子 (株式会社エースジャパン代表取締役社長) は、最近実際に受けたFDA査察に関して、製薬メーカー経営者としての視点から実務面を中心に講演する。これからFDA査察を受けパスしようとする製薬企業にとっては、この上なく有益となる。

長きにわたるFDA査察対応における実務経験を踏まえ、対応される製造所の実務レベルに合わせ、準備段階から当日の対応、そして当局への回答の仕方までを具体策とともに習得できる。そして最近受けた「FDA査察」を、査察準備、当日対応、Form483 (Observation) やObservation (Recommendation ) 指摘回答への実際例など、査察をパスさせるためのポイントにつき概説する。また、査察通過が不成立となり警告書が出された場合、製造中止、出荷停止、そして製薬企業としての大きな会社信用の失墜などを考えた場合、FDAの重大性を経営者が認識することが重要である。原薬メーカー経営者としての視点から実務面を中心に、これからFDA査察を受けそれをパスしようとする製薬企業の実務者並びに実務者にとって、極めて有益となる知識が得られる。

  1. 「FDA査察への事前準備と対応」 (演者 高平正行 氏)
    1. FDA査察とは
    2. FDA査察-査察官による査察方法
    3. FDA査察対応準備-原薬、製剤の事例
    4. 査察の連絡、当日対応準備、当日対応
    5. FDA査察結果の報告~回答 (指摘から15日以内)
  2. 「FDA指摘事例と改善、および製薬メーカー経営者からの視点 ~原薬メーカーの経営者からみた査察対応」
    (演者 坂出藤子 氏)
    1. 査察官への心得
      1. 工場の印象として清潔感を第一優先する
      2. 上手な通訳の選定
      3. 外部ランチ・ディナー等の飲食、会議室清掃・飾り、宿泊先、送迎等の重要性
    2. FDA査察指摘事例
      1. 突き詰めれば、逸脱と洗浄 (交叉汚染防止) そして、変更管理
      2. 査察における説明者、説明内容のポイント、事前説明と当日説明の相違
      3. マネージャーとしての責任
      4. 洗浄頻度や、機器点検、倉庫内温湿度決定等々、科学的根拠の欠如
      5. 逸脱や混合ロット発生時の安定性試験は必須
      6. クリーンルームより、製品倉庫の方が綺麗とは?
      7. オペレーターが変更されても記録がないのは理解されない
      8. 防虫管理はその場で判断される
      9. 配管表示は容易に識別のこと
    3. 何事も手順書がなければGMPではない
      1. その他
    4. 更に指摘を受けない回答の速やかな提示
    5. FDA査察対応の在り方
    6. FDA査察をパスしたことのよる経営的な波及効果
    7. グローバル企業への変身
    8. 考察と改善案、GDUFAに関して

第2部:『電子記録/電子署名およびCSVのFDA要求と査察指摘事例』

(2014年5月28日 13:45〜16:30)

電子記録および電子署名を規制業務に利用する場合の要件が厚労省「ERES指針」に定められている。CSV実施方法は厚労省「適正管理ガイドライン」に具体例として示されている。一方、米国においては、省令に相当するFDA「規則」21CFR Part 11に電子記録・電子署名の「規則」が定められている。またPart 11のガイダンスも制定されている。CSVについては実施方法の規則もガイダンスもFDAにはないが、ウォーニングレターにおけるCSVの指摘は多い。本講座では以下の説明をとおし、FDAのコンピュータ要件を把握していただく。

ERES/CSVに馴染みのなかった方にも理解していただけるよう、ERES/CSVの基礎から説明する。また、付録CDに収載する豊富な解説文書により、日欧米3極のコンピュータ要件について後日の自習が可能である。

ERES: Electronic Records, Electronic Signatures (電子記録、電子署名)
CSV: Computerized System Validation (コンピュータ化システムバリデーション)

  1. 電子記録・電子署名の基礎
  2. CSVの基礎
  3. GAMP 5のポイント
  4. FDA Part 11 (規則) とガイダンスの概要
  5. FDAのコンピュータ指摘107件の紹介
    • 例:
    • サンプル数をエクセルで管理しているがその真正性を証明できない
    • クロマトグラム生データを削除できてしまう
    • データバックアップが暗号化あるいは物理的に保護されていない
    • 監査証跡をチェックした記録がない
    • HPLCの電子生データが残されていない
    • 運用開始以降、パスワードが変更されていない
    • 共有ID/パスワードによる運用となっている
  6. FDA指摘への対応事例
    1. 監査証跡のレビュー
    2. HPLCの電子記録維持
    3. エクセル・スプレッドシート
付録CDに収載する解説文書
  1. 適正管理ガイドライン コメント挿入版 (44ページ)
  2. カテゴリ分類とバリデーションアプローチ (24ページ)
  3. スプレッドシートの管理とバリデーション (14ページ)
  4. FDAのコンピュータ指摘107件 (66スライド)
  5. FDA Part 11邦訳 (17ページ)
  6. FDA ガイダンス Scope and Application 邦訳 (24ページ)
  7. Annex 11 邦訳 (8ページ)
  8. Annex 11 に対するEMAのQ&A 邦訳 (8ページ)
  9. PIC/S査察官向けガイダンス PI 011-3 抜粋意訳 (31ページ)
  10. 厚労省令第44号の解説・GMP編 (20ページ)
    その他、改正バリデーション基準、GMP事例集 (2013年版) など関連法令を多数収載 (全33ファイル)

第3部:『グローバルGMPの要求事項と規制当局の指摘事項に学ぶ「試験検査室管理」』

(2014年5月29日 10:30〜16:30)

医薬品製造においては、製品の開発段階から確立された安全性、有効性を担保するために、製造管理や品質管理の基準を遵守して一定品質の製品を市場に供給することが重要となる。製造管理及び品質管理を行う上で、試験検査の実施は、客観的な実証を得るためには重要な意味を持つ。GMP上、適切な試験検査業務を実施するためのポイントを規制当局の指摘事項を踏まえて解説する。

  1. GMP査察
    1. 試験検査室に対する当局査察のアプローチ
    2. 当局査察に学ぶ管理ポイント
  2. 試験検査室管理におけるGMPの要件
    1. 品質部門の責務
    2. 文書管理
    3. 品質管理のポイント
      1. 規格設定
        1. 分析法バリデーションの結果とロット分析の取り扱い
          • 規格下限 (上限) において危険率 αで分析値が不合格になるロットの推定値
          • 消費者危険率と規格:不良品の品質を有するロットの分析値の分布の上限が規格下限を超える確率をβに抑えるとき
          • 生産者危険率と規格:製品の分析値の分布が規格下限 (規格上限) を下回る (上回る) 確率 をαに抑えるとき
        2. 治験薬の品質規格
        3. 有効期間と安定性試験
          • 安定性試験の結果に基づいた有効期間の設定
          • 治験薬の貯法・有効期間に対する要件
          • 使用期間 (リテスト日) の設定と延長方法
    4. 変更管理
      • 製法変更と評価手順
      • 同等性/同質性評価とは
      • 試験法等の変更
      • GMPにおける変更管理
    5. 逸脱管理
      • OOS の対応
      • 当局査察の方法と逸脱管理の考え方
  3. 外部試験機関への依託と技術移転
    1. 試験室管理の確認と依託契約
    2. 技術移転

会場

東京流通センター
143-0006 東京都 大田区 平和島6-1-1
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