抗体医薬などのバイオ医薬品における、凝集体形成メカニズム、凝集体の性質、および凝集体形成防止法を解説する。タンパク質の取扱に必須の基礎知識、物理化学的分析法を説明後、凝集体評価に用いられる複数の解析法について詳述する。凝集体形成メカニズム、各種ストレスとの関係を解説し、会合や凝集を効果的に防ぐために用いられる安定化法を紹介する。バイオ医薬品の製剤分析および製剤開発のベースとなる基礎知識の習得をゴールとする。
- バイオ医薬の物理化学分析に関する基礎知識
- タンパク質、抗体の取扱に必要な基礎的知識
- 一次構造、二次構造、三次構造、高次構造
- 濃度決定
- 化学構造変化
- 変性
- タンパク質の物理化学分析法
- アミノ酸分析
- 電気泳動法
- 質量分析法
- 高次構造解析、円二色性 (CD) 、赤外分光 (IR) 、蛍光分光
- 示差走査熱量計 (DSC)
- 静的光散乱法 (SLS) 、動的光散乱法 (DLS)
- バイオ医薬と凝集体
- バイオ医薬に含まれる凝集体研究の現状、規制動向
- 凝集体の分類
- 解離会合
- 物理ストレスとの関係
- サイズによる分類
- 粒子サイズに応じた分析法1
- サイズ排除クロマトグラフィー (HPLC-SEC)
- 超遠心沈降速度法 (AUC-SV)
- 動的光散乱法 (DLS)
- 粒子サイズに応じた分析法2
- 濁度測定
- フィールドフローフラクショネーション (FFF)
- レーザー散乱・回折法 (LS、LD)
- ナノ粒子トラッキング (NTA)
- 共振質量測定法 (RMM)
- 粒子サイズに応じた分析法3
- マイクロフローイメージング (MFI)
- 光遮蔽法 (LO)
- タンパク質の安定性と凝集メカニズム
- タンパク質の安定性
- コロイド安定性と構造安定性
- コロイド安定性とDLVO理論
- 構造安定性と自由エネルギー変化
- タンパク質の凝集メカニズム
- Lumry-Eyring理論
- 第2ビリアル係数
- タンパク質の電気的性質、安定性とpH
- タンパク質の等電点、ゼータ電位、ネットチャージ
- 溶液のpHとタンパク質の安定性
- タンパク質の安定性と溶媒組成、添加剤の効果
- タンパク質の安定性と塩
- ホフマイスター系列
- 塩とタンパク質の相互作用
- 塩によるタンパク質の安定化・不安定化
- タンパク質の安定性と糖類
- 選択的溶媒和
- 糖によるタンパク質の安定化
- 糖を添加する場合の注意点
- タンパク質の安定性と界面活性剤
- 界面活性剤とタンパク質の相互作用
- 界面活性剤によるタンパク質の安定化
- 界面活性剤を添加する場合の注意点