本セミナーでは、芳香族ポリエーテルケトン・全芳香族ポリケトンの基礎から解説し、分子設計・反応設計、機能性材料への応用展開について詳解いたします。
芳香族ポリケトンとは、芳香環とケトンカルボニル基を主鎖に含む高分子である。そのほとんどは、エーテル結合を含む芳香族ポリエーテルケトンである。中でも、ポリエーテルエーテルケトン (PEEK) は、スーパーエンジニアリングプラスチックとして知られ、耐熱性、優れた機械的特性を有し、熱可塑性ポリマーの中で最高水準のポリマーである。 本講座では、PEEKをはじめとする「芳香族ポリエーテルケトン」および、主鎖にエーテル結合を含まない「全芳香族ポリケトン」の基礎から基本的特性に応じた多様な分子設計・反応設計を紹介し、その特長と機能性材料への応用展開に関する近年の開発動向について述べる。 耐熱性を有する高分子材料はポリイミド、ポリアミドなど多数これまで報告例が有り、特にポリイミドなど含窒素高分子材料に関する研究が極めて多い。 これに対し、製造の難しさおよびコスト高という問題点があり、PEEK以外素材として利用される可能性は高くなかった。 本講座では、問題点・現状を明らかにするとともにその解決法がどこにあるのか、機能材料化の観点で何がポイントでどのような分野への応用展開が期待できるかを述べる。