光・画像を用いて非接触に対象物体の形を測る技術は、従来から製造・検査や造形デザインなど業務分野で広く用いられてきましたが、最近になって自動車の衝突軽減ブレーキのためのセンサやゲーム機のためのジェスチャ入力装置など、我々の生活空間での利用が進みつつあります。これに伴い、様々な原理による三次元計測装置が開発・市販されていますが、これらを適切に選択し、性能を引き出すためにはそれぞれの計測原理について広く知っておくことが重要です。
本セミナーでは各種の三次元計測法の性質や利点・欠点を俯瞰できるよう、それぞれの基本原理から広く、かつ平易に解説します。
- 三次元計測の基礎
- 三次元計測に利用される光の性質
- 光の直進性に基づく計測法
- 光速に基づく計測法
- 能動的計測と受動的計測
- 様々な三次元計測法
- カメラモデル
- カメラの構造とレンズの性質
- カメラの数式表現
- カメラのキャリブレーション
- ステレオ法
- ステレオ法の基礎
- 特徴点の対応付け
- エピポーラ幾何の基礎と平行化
- マルチベースラインステレオ
- 因子分解法
- アクティブステレオ法
- アクティブステレオ法の種類とその特性
- スリット光投影法
- コード化パターン法投影法
- 固定パターン投影法とkinectの例
- Depth from Defocus
- Depth from Defocus の原理
- ぼけの性質と画像のフーリエ変換
- 開口形状の効果と符号化開口
- 空間周波数の分析に基づく奥行き推定
- 畳み込み演算に基づく奥行き推定
- 光速に基づく計測法
- 時間差計測法とその特性
- 位相差計測法とその特性
- 干渉計とその特性
- 三次元計測に関する最新動向
- ステレオ法に関する近年の動向
- depth from defocus に関する近年の動向
- ステレオ法と depth from defocus の融合
- 照度差ステレオ法とアクティブステレオ法の融合
- まとめ