本セミナーでは、LNGプロジェクトに関連する巨大なビジネス・チャンスと経済性について、シェール・ガスとLNG分野の第一人者が的確に詳説いたします。
米国を震源地とするシェール・ガス革命は、この2年間において世界のエネルギー情勢を大きく変貌させ、カナダにも拡大し、北米全体の天然ガス生産量は急速に増加している。 2013年に北米地域の天然ガスは、供給が需要を上回る状況となった。米国におけるシェール・ガスをはじめとした非在来型天然ガスの生産増と、天然ガス価格の下落によって、米国・カナダにおいて相次いでLNG輸出プロジェクトが計画されている。天然ガスの価格は、世界的に天然ガス火力発電需要が増加しているにもかかわらず、2014年に入ってからも百万Btu当たり3~4ドル台で推移している。これは、非在来型天然ガスの生産コストの低下に起因する。 米国への天然ガス輸出が急速に減少するカナダと、米国国内の天然ガス販売だけでは大きな利益を挙げられない状況にある米国石油企業は、シェール・ガスを原料としたLNG (液化天然ガス) 輸出プロジェクトを積極的に進めている。カナダはLNGの輸出許可を出し、米国エネルギー省も既に4件ものLNGの輸出許可を出している。さらに、欧州諸国への天然ガス販売が減少し、加えて価格引き下げを求められるロシアも、アジア大洋州へのLNG輸出計画を進めている。 こうした米国、カナダ、ロシア、豪州をはじめとした多くのLNG輸出プロジェクトは、百万Btu当たり20.5ドルという史上最高値 (2014年2月) のLNGを購入している日本にとって、安価な天然ガス調達ソースの多様化につながるとともに、既存のLNG契約における価格引き下げ交渉の材料ともなる。既に、総合商社・石油企業・プラントメーカー・重電メーカーは、米国・カナダのシェール・ガス権益の取得を進めるとともに、LNGプラントの権益を取得している。さらに、石油化学企業は、米国のシェール・ガスを原料とした石油化学プラントの建設を行っている。米国、カナダは、世界有数のシェール・ガス埋蔵量を誇り、シェール・ガスの輸出に前向きである。また、日本企業はLNGプラント・LNG専用船の建設・運転・保守に関連する世界最先端の技術を持ち、これまであまり進出していなかった米国、カナダにおける1兆円に達するLNGプロジェクトや、エチレン・プラント建設への参画が進んでいる。 こうしたLNGプロジェクトに関連する、日本企業にとっての今後の巨大なビジネス・チャンスと経済性について、シェール・ガスとLNG分野の第一人者が的確に詳説する。