熱分析を行う上で分析の目的に対して的確な情報を得るためには、熱分析の原理や性質を充分理解し、適切な測定条件で分析するとともに、得られたデータを正しく解釈することが肝要です。また、より正確な分析結果を得るためには、日頃の装置の保守管理が重要です。
本講では、熱分析を始めて間もない方、またはこれから本格的に始められる方々を対象とし、「熱分析とは」から、各種熱分析技法の基本原理や、より正確な結果を得るための測定条件の決め方・サンプリングの注意点、解析の基礎・データ解釈のポイント、および熱分析装置の保守管理について、熱分析に関する基本的な知識を平易に解説するとともに、実際の分析事例を含め代表的な応用例を紹介します。
- 熱分析とは
- 熱分析の定義
- 熱分析の種類と特徴
- 熱分析データの概念
- 示差熱分析 (DTA) および示差走査熱量測定 (DSC) の原理と応用
- DTAの原理
- DSCの原理
- DTAおよびDSCの測定・解析
- 測定条件の決め方と測定上の注意点
- 測定チャートの解析の基本
- 分析結果に及ぼす測定条件の影響
- DTAおよびDSCの応用例
- ポリマーガラス転移・結晶化・融解
- ポリマーの熱履歴
- 熱硬化性樹脂の硬化反応
- でんぷんの糊化
- たんぱく質の熱変性
- DSCによる比熱容量測定
- 医薬品の純度解析
- 酸化誘導時間測定
- 熱重量分析 (TG) の原理と応用
- TGの原理
- TGの測定・解析
- 測定条件の決め方と測定上の注意点
- 測定チャートの解析の基本
- 分析結果に及ぼす測定条件の影響
- TGの応用例
- ポリマーの熱分解
- ゴム中の添加カーボンブラックの定量
- 反応速度論解析
- 熱機械分析 (TMA) の原理と応用
- TMAの原理
- TMAの測定・解析
- 測定条件の決め方と測定上の注意点
- 測定チャートの解析の基本
- 分析結果に及ぼす測定条件の影響
- TMAの応用例
- 熱膨張率
- ガラス転移
- 軟化点
- 熱膨張・熱収縮の異方性
- 熱分析装置の保守管理
- 装置校正 (キャリブレーション) と装置チェック
- DTAおよびDSCの装置校正
- TGの装置校正
- TMAの装置校正
- トレーサビリティーとバリデーション
- トラブルシューティング
- 新しい熱分析法
- 試料観察熱分析
- 温度変調DSC
- 湿度制御熱分析
- 速度制御熱分析 (CRTA)
- 発生気体熱分析 (EGA)