半導体電子回路の形成や表面保護膜の形成などの幅広い用途に使われている化学気相堆積 (CVD) 法ですが、反応器のクリーニング技術を最適化しなければ、薄膜形成条件が成り立たなくなります。ノンプラズマクリーニングには、一般に反応性の高いガス、例えば塩化水素ガスや三フッ化塩素ガスが用いられます。
本セミナーでは、これらのガスを用いてシリコン、炭化珪素などのリアクタをクリーニングする条件および最適化について解説します。併せて、クリーニングの対象となる物質として、反応副生成物により生じるトラブルについても触れてみたいと考えています。
- 化学気相堆積 (CVD) 法のプロセスとクリーニング技術
- はじめに
- 電子デバイスなどの微細構造と薄膜形成プロセス
- 成膜により生じるトラブルとクリーニングの必要性
- リアクタクリーニングの条件
- CVDとその場クリーニングガス
- シリコンCVD装置のクリーニング
- シリコンと塩化水素ガス
- 成膜と化学反応
- 排出ガス中の化学種
- エッチング速度
- 表面化学反応過程
- エッチング時のSi表面形態
- シリコンと三フッ化塩素
- 三フッ化塩素ガスの特徴
- シリコンエッチング速度
- エッチングの化学反応と生成物
- クリーニング時の様子と発熱
- 広範囲のクリーニング
- トリクロロシランガス使用時の排ガス管内堆積物
- 炭化珪素CVD装置のクリーニング
- 炭化ケイ素と三フッ化塩素ガス
- 多結晶炭化ケイ素エッチング速度
- エッチング時の多結晶炭化ケイ素の表面形態
- エッチング速度と表面
- リアクタクリーニング時の様子 (含、サセプタ保護)
- 単結晶炭化ケイ素のエッチング速度
- その他のクリーニング技術および関連技術
- 石英ガラスと三フッ化塩素ガス
- 石英ガラスのエッチング速度 (温度・流量・濃度)
- 化学反応と生成物
- 三フッ化塩素による腐食を防ぐ方法
- 保護膜の条件
- 保護機能を有する物質の生成
- 酸化ハフニウムと塩化水素ガス
- 酸化ハフニウム原子層堆積法とSi CVDの比較
- 化学反応の推定
- 酸化ハフニウム粉末の除去速度
- 酸化ハフニウム薄膜のエッチング速度
- エッチング中の表面の化学結合状態
- 窒化ガリウムとハロゲン系ガス
- 塩素ガス、塩化水素ガスによるGaN薄膜の除去
- 石英ガラス表面の窒化ガリウム薄膜の除去
- まとめ
- CVDリアクタの理想像
- 理想を実現する技術
- クリーニング技術の理想的条件