今後、ブロックバスターの生物製剤 (主に抗体) が相次いで特許切れをむかえ、製薬業界においてはバイオシミラーという新たな製品群が登場する。
バイオシミラーはジェネリクス医薬品とは似て非なる商業的特徴をもち、日本市場の様子も異なる。バイオシミラーとそれを取り巻く環境を俯瞰したのち、バイオシミラーの実例を参考にしながら、特に日本においてバイオシミラー事業にて利益を出すための「利益側の事業ストラクチャー」を議論する。
さらに、バイオシミラーを開発・製造するオプションをなるべく具体的に例示し、想定する自社将来像を実現するように「コスト側の事業ストラクチャー」の設計をお手伝いする。
- バイオシミラーという製品の特徴
- バイオシミラー事業を取り巻く環境要因
- バイオシミラー事業にかかわることによって、御社に起こる副次的効果
- 日本市場向けの最適事業ストラクチャーの設計
- 製品別のバイオシミラービジネス展開についての具体的ヒント
- バイオシミラー市場とは
- そもそもバイオ医薬品とは
- 低分子医薬品との違い
- 生産細胞株:細胞株構築がバイオ医薬品生産の入り口
- 生産や精製の特徴
- 抗体バイオシミラーの登場により、市場はさらに拡大する
- 予想される市場規模
- バイオシミラー (特に抗体のバイオシミラー) とは、オリジナル品とは
- バイオシミラーの商業的特長:顧客にとってのバイオシミラーの利点
- バイオシミラーを取り巻く日本という特異な環境
- 新薬会社:オリジナル品はほとんど輸入。
- グローバルなジェネリクス企業:規模の経済と世界展開の脅威
- 日本のローカルなジェネリクス企業:業界の危機?
- バイオシミラーについて:自社経営資源の自己分析
- コストを下げる:
- 利益を増やす:積極的な販売戦略
- コスト削減は重要だが、利益をどう上げるかの方がもっと重要
- バイオシミラーに対する規制当局のあり方
- バイオシミラー事業で利益を上げるために
- 製品内のシナジーを最大化する:販売のシナジー
- 自社内のシナジーを最大化する:事業のシナジー
- 日本市場を足がかりに海外に展開する
- バイオシミラー事業を展開するための準備:
- 利益を最大化する販売方法、「利益側事業ストラクチャー」の構築
- 必要な業界全体でのプロモーション・啓蒙活動
- バイオシミラー事業による業界変革
- バイオシミラーによって、何が起こるか
- 新薬会社における事業シナジー
- ジェネリクス会社のバイオ新薬会社化
- CMOが製薬会社化
- 大学・バイオベンチャー、社会はどうなる?
- 自社の将来像を実現するために、こうした変革を利用する
- 自社将来像の実現を指向する「コスト側事業ストラクチャー」の構築
- バイオシミラー事業のコスト側の事業ストラクチャー
- 旧来型タイプ:細胞株を単独の製薬会社が専有する
- 大型CMOタイプ:細胞株をCMOが専有する
- 日本新型タイプ:細胞株を複数の製薬会社で共有する
- 新たなタイプ
- 自社の将来像に合致するようにオプションを選ぶ・作り出す
- まとめ:バイオシミラー事業を攻める
- 利益を最大化する形で、利益側事業ストラクチャーを構築する
- 自社将来像に合致するように、コスト側事業ストラクチャーを構築する
- 事業開発にとって、選択肢は選ぶのではなくて作るもの