超撥水・撥油性表面技術動向

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プログラム

第1部 はつ水/はつ油性表面の設計指針と技術動向・課題

(2014年4月24日 10:00〜11:20)

 これまで、固体表面のぬれ性 (はっ水性/はつ油性) は、静的接触角の大小で評価されることが一般的であった。しかし、静的接触角の値が同じでも、表面状態によって液滴は異なった動的挙動を示す。本講演では、固体表面のはっ水/はつ油処理に関する研究動向・課題を概説するとともに、表面形状と有機フッ素化合物に依存した従来型の蓮の葉構造表面とは一線を画するこれまでにないはっ水性/はつ油性表面を紹介する。

  1. 濡れの基礎
    1. Youngの式 (濡れの基本式)
    2. 表面張力と表面エネルギー
    3. CassieとWenzelの式 (凹凸表面、複合表面における濡れ)
    4. CassieとWenzelの式は本当に正しいのか?
    5. 既存理論を否定する研究事例
    6. 3相接触線の重要性
  2. 動的濡れ性について
    1. 動的濡れ性とは?
    2. 動的濡れ性制御の重要性
    3. 動的接触角と測定方法
    4. 接触角ヒステリシスとは?
    5. 接触角ヒステリシス制御に関する過去の研究
    6. 接触角ヒステリシスを抑制するためのコンセプト
    7. 接触角ヒステリシスと滑落性の関係
  3. 最近のはっ水/はつ油処理の研究動向
    1. 最近のはつ水処理の研究事例
    2. 最近のはつ油処理の研究事例
  4. 優れた滑液性を可能にする新しい表面処理
    1. フッ素系シリカ系ハイブリッド皮膜
    2. 非フッ素系シリカ系ハイブリッド皮膜
    3. 今後の展開
  5. まとめ

第2部 ナノ粒子スプレーコーティング法による超撥水性表面の創成と評価

(2014年4月24日 11:35〜12:55)

 水にまったく濡れない「超撥水表面」の原理と作製法について解説する。  これまでに開発された技術を概観すると同時に,講演者が提案している「無機ナノ粒子のスプレーコーティングによる超撥水薄膜形成技術」を紹介する。  超撥水表面に興味をもつ技術者の方に対して,作製法・分析法等の具体的なノウハウを伝授することが講演の目的である。

  1. 固体表面の濡れと超撥水性
    1. 表面濡れ性の支配因子 (1) 表面エネルギー
    2. 表面濡れ性の支配因子 (2) 表面粗さ
    3. 超撥水性について
  2. 超撥水薄膜の作製法
    1. ドライプロセス
    2. ウェットプロセス
    3. 超撥水表面の設計指針
    4. ナノ粒子のスプレーコーティングによる超撥水薄膜形成
    5. スプレーコーティング法における撥水性の制御因子
  3. 超撥水薄膜の現状と課題
    1. 超撥水表面の耐久性・再生
    2. 超撥水性と透明性の両立
    3. 超撥水表面の応用

第3部 透明基材表面の防汚性超撥水撥油表面加工技術と応用展望

(2014年4月24日 13:40〜15:00)

 近年、建物や乗り物、各種電子機器、光学機器等の高度化に伴い、実用性と快適性の面から、防汚性の向上が望まれるようになってきた。防汚性を向上させるためには、基材表面の表面エネルギーを低減させる必要がある。
ここでは、フッ化炭素系化学吸着単分子膜と基材表面の粗面化技術を組み合わせた可視光広域で透明で且つ極低表面エネルギーな表面加工技術を紹介する。

  1. 背景
    • 各種基材表面の防汚加工への要望
  2. 技術開発への要望を如何にして達成するか
    • 可視光で透明 (基材の透明度を損なわない)
    • 撥水性は、一般では水滴角で150°以上、 耐指紋付着防止用では165°以上
    • 耐熱温度85℃以上
    • 耐磨耗性は、加重300g/cm2で 5000回以上 (用途による)
    • 耐擦傷性は、鉛筆硬度で5H以上
  3. 応用展望
    • 各種太陽エネルギー利用装置への応用
    • 各種乗り物への応用
      • ガラス窓
      • バックミラー
      • バックモニター など
    • 各種ディスプレーへの応用
      • スマートフォン
      • タブレット等のタッチパネル

第4部 有機無機ハイブリッド多孔体の構造制御と機能化 – 超撥液性表面をもつ柔軟材料 -

(2014年4月24日 15:15〜16:35)

 有機無機ハイブリッド組成から得られる細孔構造を精密に制御した多孔体は、可逆的な圧縮変形が可能でハンドリング性に優れ、大気圧乾燥プロセスでの製造が可能なエアロゲルや、超撥液性表面を簡便な合成法で実現する柔軟材料「マシュマロゲル」などの、ユニークな機能を発揮する材料である。合成の基本から、物性制御手法と応用例までを解説する。

  1. ゾル-ゲル法による多孔性低密度材料の作製
    1. ケイ素アルコキシドの加水分解重縮合
    2. シリカオリゴマーの重縮合とゲル化
    3. 湿潤ゲルの熟成と乾燥操作
    4. 低密度・透光性材料作製に必要な条件
  2. 有機無機ハイブリッドエアロゲル
    1. 3官能アルコキシシランのゾル-ゲル反応
    2. 透明で均一なゲルの作製方法
    3. 微細構造に及ぼす界面活性剤の影響
    4. 可逆的圧縮変形のメカニズム
    5. 常圧乾燥による低密度キセロゲルの作製
  3. エアロゲルの断熱用途への応用
    1. 多孔質材料の熱伝導率に影響を及ぼす因子
    2. 気体の平均自由行程と多孔質材料の細孔径
    3. 高断熱・透光性窓への挑戦と課題
    4. IH調理用耐熱断熱食器
  4. 超撥液性表面をもつ柔軟材料「マシュマロゲル」
    1. 2官能+3官能ケイ素アルコキシドの共重合
    2. マクロ多孔構造の形成原理と制御手法
    3. 撥水吸油性マシュマロゲルの分離機能
    4. 撥水撥油性表面の作製とさらなる機能化

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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