シランカップリング剤は、表面や界面のコントロールのための定番である。しかし、その効果を最大限に高めるためには界面や表面での化学反応、形成されるシランカップリング剤の分子構造等を知って使うことが何より重要である。 かつてはここが完全なブラックボックスであったが、演者らや他の研究者の成果でシランカップリング剤による表面や界面がどこまで分析できるようになったのか? そこから見えた表面や界面の真の姿は? 高性能化のために表面や界面をいかにコントロールすべきか? 等について解説したい。 また、シランカップリング剤を使うときのかつての常識が、今や非常識になった研究結果も多く紹介する。これらを理解するために、まずシランカップリング剤の反応の基礎から解説を始める。そして、解説を進める中での「今や非常識」から表面・界面のコントロールのための真の基礎を知って頂きたい。