知ってるつもりのカーボンブラック

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会場 開催

本セミナーでは、カーボンブラックの基礎から解説し、配合材料、導電性安定化、分散等のカーボンブラックを取り巻く要素技術について詳解いたします。

日時

開催予定

プログラム

講演タイトルである「知ってるつもりの カーボンブラック」は、月刊「ポリファイル」誌 (大成社刊) に2006年4月~2007年3月に亘り掲載された技術連載の総合タイトルでもあります。連載では、それまで常識と考えられていたカーボンブラックに関する情報が、如何に不正確で、如何に偏っているのかについても紙幅を割き、正しいカーボンブラックの理解の一助となる解説を継続的に加えました。刊行とほぼ同時に、予想をはるかに超えた反響等が読者から寄せられました。その連載から7年余の月日が流れ、再び「カーボンブラック販売向上のためだけの独善的な理屈」や「現場では再現不可能な浅薄な理論もどき」がうごめき始めています。不幸なことに、それらを信じてしまったことで、自らを袋小路に追いやる技術者も少なくないようです。  そこでカーボンブラックの “正確な基本認識” と、今まで語られることの少なかった “能力と可能性”を中心軸に据えたプログラムを編成いたしました。さまざまな技術領域におけるカーボンブラックの特徴的な振舞いを理解する事こそ、自身の分野における新たな技術の獲得と発想の素になります。あなたが「ポリファイル」の連載愛読者であったとしても、カーボンブラックを扱って何十年のベテランであったとしても、初めて接する事柄の多さに新鮮な体験をされる時間になることを、講義の中心的な目的としています。

1日目 (基礎編)

第1講 基礎講座 「構造と基本的性質 そして可能性」
  1. 先ずは教養 次に製法
    • 唐代に生まれた「すす」の歴史
    • 製造法解説と付随する特徴
    • マーケテイング対象としての位置付け
  2. 分子レベルの構造を探る
    • 誰も分からないカーボンブラックの生成過程
    • 炭 ・ 黒鉛 ・ カーボンブラックの違いを電子論で説く
    • 多彩な表面 ・ 多様な特性
  3. 形と性質を理解する
    • 今では遺物 “一次粒子径論” と付和雷同の土壌
    • ストラクチャーをふたつに分類する意味
    • 数ある属性から必要なものを見極める視点
第2講 物性講座 「高分子組成物特性制御のための配合設計技術」
  1. 現場で揺らぐ選定指針
    • 「カーボンブラック分類表」追随の落とし穴
    • 何を基準に選択すれば良いのか
    • 混練技術で変化する配合特性
  2. 配合材料としての多彩な資質
    • 表面官能基とポリマーの相互作用
    • 耐摩耗 ・ 耐光 ・ 動的粘弾性の設計論
    • ラジカル捕捉能と耐熱性向上効果

2日目 (応用編)

第3講 導電講座 「導電機構と導電性安定化の理論と技術」
  1. 組成物における電気導通のメカニズム
    • π電子とσ電子が教える分散と濡れの差
    • 実像・虚像「導電性カーボンブラックの怪」
    • 導電性ゴムを伸ばして測って分かること
  2. 導電性安定化の鍵 “ 界面歪の緩和 ”
    • 逆転発想の材料「カプセル化黒鉛」が示すπ電子の本質
    • 半導電性安定化に不可欠な混練技術と計測技術
    • 高導電 ・ 静電気放散 ・ 電磁波シールドの配合定石
第4講 着色分散講座 「塗料・インク・ペーストの分散と界面化学」
  1. 自在に操る黒色の科学
    • インク用カーボンブラックの特徴的性質
    • 底色研究 : 「青味の黒」「赤味の黒」の制御と光学
    • 属性から考えるビヒクルとの相性
  2. 均一分散の論理と技術
    • 分散剤とカップリング剤の原理と限界
    • 墨液に学ぶ、コロイド化学と界面電位の挙動
    • 混練と溶解工程における技術のポイント

主催者より

 これまでに開講してきた「目からウロコの組成物設計講座」シリーズでも度々登場してきた「カーボンブラック」についての講義が遂に登場。今までの講義では扱い切れなかったカーボンブラックの詳細な解説を渾身の2日間セミナーにてお届けします。“知っているつもり“になっていた、カーボンブラックについて再認識する場となり、実践・実用技術現場でお役に立てればと願ってやみません。

会場

ゆうぽうと
141-0031 東京都 品川区 西五反田8-4-13
ゆうぽうとの地図

受講料

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