本セミナーでは、粉体の基礎・表面処理の基礎から解説し、機能性ナノコーティングとその応用について詳解いたします。
粉体は様々な産業に利用されているが、トラブルがあった場合には経験豊富な技術者がいないと中々解決しない。これは粉体にはバルクの性質に加えて粉体の性質と表面の性質があるためで、それらの大まかな知識がないと現象を全体的に把握できないためだと思われる。 表面に関する性質には表面積や細孔分布、表面に吸着した分子の状態、表面電荷および親水性・疎水性といった濡れに関する性質などがあり、それらがお互いに影響を及ぼし合っている。特に触媒活性はさほど強い活性がなくても共存する他の成分に影響を与え、製品の品質を劣化させる場合がある。このような場合には表面処理を行うが、まず表面の触媒活性を消失させて、その後に機能性を付与することが望ましい。粉体の表面処理というと古臭さを感じさせるが、精密なナノコーティングは「先端技術」の匂いの強いプロセスとなる。 本講では粉体表面の性質とその表面を不活性化した後に機能性を付与する「機能性ナノコーティング」についてその応用も含めて述べる。