PEDOTは、市場で最も成功した導電性高分子と言われながら、基礎物性やメカニズムの解明の遅れから、先行企業の特許切れ後も市場の広がりは限定的であった。しかし、材料面の構造・基礎物性・メカニズムの解明が進み、デバイス性能向上に必要な特性や評価項目・方法が明らかになってきたことにより、中国の有機EL照明市場や、国内外での需要が拡大する高電圧コンデンサなどにおいて性能向上のキーマテリアルとしてPEDOTの採用が急速に進みつつある。 そこで、本セミナーでは、PEDOTの研究・ビジネス両面で日本・世界をリードする講師陣にPEDOTの材料・評価・応用の基礎・最先端技術を解説いただくと共に、工業展開実現が迫る中国の有機EL照明の現地情報を披露いただくことにより、材料をつくる側・つかう側双方の技術開発・戦略構築・市場成長のトリガーとなることを目的としている。 材料開発やデバイス性能向上のために新たな材料探索をしている方々だけでなく、これまで「PEDOTは使いにくい」とお考えの方にも業務のブレークスルーの糸口として、本セミナーをご活用いただければ幸いです。
(2014年3月13日 10:30〜12:30)
PEDOTは最も成功した導電性高分子の一つであり,有機エレクトロにクスやプリンテッドエレクトロニクスにおけるキーマテリアルとして期待されています。本講座では,PEDOTの基礎から評価方法のノウハウ (評価項目,使用機器,測定条件,解析等) についてわかりやすく解説するとともに,高導電化のメカニズムや応用例まで幅広く紹介します。
(2014年3月13日 12:30〜12:40)
(2014年3月13日 13:30〜14:40)
PEDOT/PSSは、非常に優れた透明導電材料ですが、実使用には、フォーミュレーションが必要です。弊社は、最も歴史の長いPEDOT/PSSのフォーミュレーターであり、帯電防止用途ではトップのシェアを有しています。現在は、特にITO代替用途への展開を進めており、そこで求められる性能と最新の到達状況をご紹介いたします。
(2014年3月13日 14:50〜16:20)
有機EL発光技術はディスプレイ分野のみならず、照明分野にも広がりつつある。これまで、韓国のサムスン社は中小型有機ELディスプレイ技術の実用化の成功によって、スマートフォンの世界市場でナンバーワンシェアを保持し続けていた。 近年、中国では有機ELディスプレイと照明分野に積極的に投資し、2015年までに、産業的な投資額は400億人民元 (6700億円) を超えると見積もられる。投資プロジェクトは有機EL (AM) ディスプレイの他に、有機EL照明も対象としている。 中国での有機EL関係分野の投資の大きな特徴として、国営資金のサポートがあげられる。国の支援により、一時的な利益を追求することなく、長い目で産業の育成と成功を狙っている。そのほか、最近ではLCD分野の投資についても、将来的には有機ELへの応用の転用も考慮されている。 有機ELディスプレイと有機EL照明製品で競争を勝ち抜くには、技術の成熟、品質の向上と共に、低コストな製造も重要なポイントである。これらを達成するために、技術面においては台湾、韓国または日本の有機EL技術者の雇用によって急速なレベルアップを図り、品質向上と低コスト化などの課題は、製品化工場を建設すると共に、先端技術の研究を行っている。先端技術には印刷技術や、IGZO技術なども含まれる。 PEDOT:PSSは有機ELディスプレイと照明に応用できるホール注入輸送性材料であり、ウェット加工式デバイスを作成するために、最も有力な候補である。中国では、PEDOT:PSSは中間体の製造技術、PEDOT:PSSの合成技術、製品応用など、さまざまな方向で展開されており、すでに照明製品にも搭載されている。そのほか、タッチパネル、フルカラーディスプレイ、新規透明電極分野への応用研究も続けられている。 今回の講演では、中国の有機ELディスプレイと照明プロジェクトと工業化の最前線を報告する。