無機材料 / 蛍光体 2日間スペシャルセミナー

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本セミナーは、無機材料 / 蛍光体のセミナーを2テーマセットにしたコースです。
セット受講で特別割引にてご受講いただけます。
通常受講料 : 89,600円(税込) → 割引受講料 69,800円(税込)
通常受講料 : 85,333円(税別) → 割引受講料 66,476円(税別)

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開催予定

プログラム

2014年3月12日「蛍光体を含めた無機材料合成の基礎と液相合成技術」

第1部 高機能化及び新規材料探索へ向けた無機材料合成技術の基礎と最新動向 〜蛍光体を中心に〜

(2014年3月12日 10:30~13:10)

 白色LED用蛍光体、触媒、電池、誘電体など、セラミックス系無機固体材料分野において、効果的に新規材料を探索し、高機能化の達成を可能にする普遍的な無機材料合成技術を紹介します。  材料探索に適合する信頼性の高い様々な溶液合成法の原理と適用例を解説し、ついで並列合成による材料探索および高機能化の実際を紹介し、同分野に関わる研究者・技術者への便宜を図ることを趣旨とします。  強調すべきポイントは、本講座受講により、『 (ユビキタス) いつでも・どこでも・誰もが』行うことの出来る無機材料探索技術と高機能化技術を取得できることです。  本セミナーは、無機材料合成の初心者であっても、また無機材料合成で十分経験のある研究者・技術者のどちらにおいても、安心して受講していただけます。

  1. はじめに
    1. 無機固体材料合成技術の現状と問題点
    2. 新規無機固体材料を探索するには?
  2. 無機固体材料を合成するための基礎 (根本原理)
    1. 誰もが使う伝統的な高温固相法:
      目的物の合成が困難、何故高温が必要?
    2. 簡単な溶液法である沈殿法:
      粒径が小さく反応性が向上、組成制御に難
    3. ゾル・ゲル法の本質:
      均一な多成分系ゲルの作製は困難
    4. 知っていて損のない錯体重合法:
      超均一セラミックス合成を可能にする
    5. PVA法/アモルファス金属錯体法 (AMC法) :
      水を溶媒とする簡便な無機材料合成法
  3. 水溶性チタン錯体を用いた水熱法による酸化チタンの合成
    1. 水溶性チタン錯体?チタンが水に溶ける!その作り方
    2. 酸化チタンの4つの多形の選択的合成が簡単にできる
    3. 酸化チタンの結晶形態制御:特異な結晶形態・特定結晶面の露出方法
    4. ブロンズ型酸化チタン膜の親水性
  4. グリコール修飾シラン (GMS) を用いた水溶液からのケイ素含有蛍光体合成
    1. 【問】なぜ今ケイ素か?【答】ケイ素含有セラミックスは機能の宝庫
    2. ケイ素含有セラミックス合成は異常に困難:溶液法が使えない!
    3. 新しいケイ素化合物の開発:水に分散可能なケイ素化合物GMSのインパクト
    4. GMSの合成方法:誰でもできる驚嘆すべき簡単さ
    5. GMSを活用した水溶液プロセスによるケイ素含有蛍光体合成
      1. 蛍光体合成に求められること
      2. 水熱ゲル化法によるCa3Sc2Si3O12:Ce3+の合成
      3. 均一沈殿法によるZn2SiO4:Mn2+の合成
      4. 凍結乾燥法による (Sr,Ba)2SiO4:Eu2+の合成
      5. 凍結乾燥法及び還元硫化法によるBa2SiS4:Eu2+の合成
      6. アモルファス金属錯体法によるBa3Si6O12N2:Eu2+の合成
      7. 錯体重合法によるY2SiO5:Ce3+,Tb3+の合成
  5. 溶液法を基礎とする並列合成による蛍光体の高機能化及び新蛍光体探索
    1. 新規蛍光体探索の手法
      1. 薄膜コンビナトリアル
      2. メルトコンビナトリアル
      3. 計算科学的アルゴリズムによるコンビナトリアル
      4. 溶液並列合成
    2. 溶液並列合成法による共賦活緑色蛍光体Y2SiO5:Ce3+, Tb3+の最適組成の決定:10倍強度アップ
    3. 鉱物にヒントを得た溶液並列合成法による新規ケイ酸塩蛍光体の探索
      1. 霞石をヒント:近紫外光励起で黄緑色発光蛍光体 NaAlSiO4:Eu2+
      2. ベニト石をヒント:近紫外光励起で青緑色発光蛍光体 BaZrSi3O9:Eu2+
      3. ジャービス輝石をヒント:近紫外光励起で緑色発光蛍光体 Na3ScSi3O9:Eu2+
      4. ヒレブラント石をヒント:青色光励起で赤橙色発光蛍光体SrCaSiO4:Eu2+
    4. 超高演色性面光源の開発における蛍光体需要
      1. CaAlSiN3の代替酸化物蛍光体の紹介:ケイ酸カルシウム及びリン酸塩系蛍光体
      2. 青緑蛍光体の重要性:BaZrSi3O9:Eu2+及びLiCaPO4:Eu2+
  6. おわりに
    1. 溶液法の重要性:組成の高度制御、微量ドーパントの均一分散、信頼性の高い物質探索
    2. コストをかけず誰でもマスターきるユビキタス溶液法
    3. 民間企業との共同研究・技術移転の取り組み
第2部 酸化物・窒化物 (蛍光体、光触媒) における液相合成技術

(2014年3月12日 13:50~16:30)

 本講演では下記のような研究分野を通じて、酸化物や酸窒化物、窒化物の液相合成法を紹介いたします。

  1. エネルギー・環境問題
    1. 現在のエネルギー問題に関して
    2. 代替エネルギーに関して
  2. 物質と材料に関して
    1. 物質と材料の違い
    2. 材料としての無機物質の特異性
  3. 溶液プロセス
    1. 溶液プロセスの概要
    2. 水熱法
      1. 水熱法とは
      2. 水熱法の原理
      3. 水熱法による光触媒合成
      4. 水熱法の現在
    3. 水熱電気化学法
      1. 水熱電気化学法とは
      2. 水熱電気化学法の原理
      3. 水熱電気化学法による酸化物薄膜合成例
    4. 超臨界プロセス
      1. 超臨界プロセスとは
      2. 超臨界プロセスの原理
      3. 超臨界プロセスの実例
    5. ソルボサーマル法
      1. ソルボサーマル法とは
      2. ソルボサーマル法の原理
      3. ソルボサーマル法の実例
    6. アンモノサーマル法
      1. アンモノサーマル法とは
      2. アンモノサーマル法の原理
      3. アンモノサーマル法の実例
  4. 溶液合成法による最近の成果
    1. 白色LED用蛍光体材料
    2. 可視光応答型水分解光触媒
  5. 溶液プロセスの将来
    1. 人工光合成への挑戦
    2. リチウムイオン電池負極材料への応用可能性

2014年3月13日「LED用蛍光体の新材料、最新合成技術とマーケティング」

 LED用蛍光体はバックライトやLED照明で使用されている重要な部材でありながら、正確なマーケット情報がないために、新規材料の開発状況やリモートフォスファーなどの新しい構成部材についての将来展望を大多数の新規参入研究者は理解できていない。  LED蛍光体は、従来の蛍光体産業とは全く異なるビジネスモデルを取っており、正しい技術情報およびマーケット情報は、世界中の研究者と企業を直接訪ねなければ得られない。  本講演では、現行の白色LED 用蛍光体の長所と欠点だけでなく、それを解決するための新規蛍光体への取り組みを自身のグループだけでなく世界的な動向も含めて、講演者が実際に直接的にコンタクトした生きた情報として幅広く解説する。特に重要な蛍光体の分子設計 – すなわち、どのようにすれば青色光励起で赤や黄色に発光するのか – について新規材料開発の実例に基づき詳細に述べる。結晶場分裂とサイトエンジニアリングが次世代LED用蛍光体の分子設計に対するキーポイントである。

  1. 蛍光体合成の基本と分子設計
    1. 蛍光体の歴史 「りん」という語源と悪魔の関係
    2. 蛍光体における発光スペクトルの形 バックライトは狭く、照明は広くてRaが高い方がいいは嘘
    3. 白色LED中の青色光は本当に危険なのか? 重要なのは本当は色温度
    4. リモートフォスファーのような新しい部材構成と本当に効果があるのか? ― 実はリモートという言葉と違う使い方が本質 ―
    5. Mn4+蛍光体を植物工場と太陽電池で利用する
    6. 希土類発光の特徴 なぜLED用蛍光体の母体はケイ酸塩と窒化物で、発光イオンはEu2+とCe3+ばかりなのか? 実はこれらの結晶構造には共通する特徴があった
    7. LED用蛍光体の特徴 バンド構造を持つ半導体との違いと新しい温度消光理論
    8. Eu2+やCe3+を青色励起で黄色、赤色に発光させるために必要な分子設計とその実例
    9. 新しい青色励起可能なLED用蛍光体の新組成が酸化物の中にあるか? そろそろ窒化物蛍光体の時代を終わらせようか
    10. 新しい合成法の長所と問題
      1. 水溶性シリコン化合物を用いた溶液法はリモートフォスファー向き
      2. 一酸化ケイ素を用いた気相法および固相法の将来性 単結晶コンビナトリアルの可能性
      3. 数秒で完了するメルト合成により得られる新規蛍光体群
      4. 窒化物の合成法 量産のノウハウ (反応容器、ガス、原材料
  2. 実用LED用蛍光体の長所と欠点
    1. 黄色 (Y,Gd) 3 (Al,Ga) 5O12:Ce (日亜化学) 優れた効率および熱特性に一方で特許問題は継続
    2. 黄色 (Ba,Sr) 2SiO4:Eu (豊田合成) 化学的安定性はコーティングで解決したが熱特性は問題、Baリッチの緑はリモートフォスファーで生き返るか?
    3. 黄色α-Caサイアロン:Eu 苦戦している理由は赤みの強い発光色
    4. 燈色 (Ba,Sr) 3SiO5:Eu 劣化の克服で色を改善する利用法はあるか?
    5. 赤色 Sr2Si5N8:Eu カズンに匹敵する優れた蛍光特性だが劣化問題とその解決法
    6. 赤色 (Ca,Sr) AlSiN3:Eu 合金法でリモートフォスファーに対する対応ができるかどうかは不透明
    7. 青緑-黄色 (Ba,Sr,Ca) Si2O2N2:Eu 魅力的な色に対して、安定性の低さで利用が難しい
    8. 緑色β-サイアロン:Eu 思ったほど色と効率が良くないのに使われる理由と内製化によるビジネスの難しさ
    9. 緑色Ca3Sc2Si3O12:Ce 新しい照明用緑蛍光体は興味深いが、ガーネット構造はパンドラの箱
    10. 緑色CaSc2O4:Ce 強力なライバルのLuAG
    11. 黄色Li2SrSiO4:Eu 新しい黄色蛍光体のビジネス的な問題点
    12. 黄色La3Si6N11:Ce 最近動きのある黄色蛍光体のYAGとの違いは?
    13. その他の蛍光体
      1. 東北大学の青色励起可能な赤色蛍光体とは? その組成となぜ今まで見つからなかったか?
      2. 北海道大学の耐熱性有機蛍光体とは? 無機蛍光体の100倍の明るさは本当?
      3. レンゴーのガイアフォトン (銀発光ゼオライト) とは?
      4. 宇部興産のMelt Growth Composite蛍光体ゼブライトとは?
      5. 小糸のクルムス蛍光体とは?
  3. LED用蛍光体のビジネス状況
    1. 1kg何十万円から何百万円以上の高価なLED用蛍光体がなぜビッグビジネスにならないのか?
    2. LED用蛍光体のマーケットの見積もり なぜ大きくバラついているか?
    3. 世界における蛍光体企業
      1. 日亜化学 蛍光体分野の大巨人の向かう方向
      2. 三菱化学 LED用蛍光体に特化も、最終的な狙いは自社製固体照明へのシフト
      3. 東京化学研究所 ランプ用蛍光体からの展開は可能か
      4. 根本特殊化学 中国での強い基盤
      5. 電気化学工業 新しい窒化物の開発状況
      6. Daejoo Electronic Materials (韓国) 高い開発能力を持つ新しい参入メーカー

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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