LED用蛍光体の新材料、最新合成技術とマーケティング

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本セミナーでは、蛍光体の基礎から解説し、蛍光体の分子設計について新規材料開発の実例に基づき詳解いたします。

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LED用蛍光体はバックライトやLED照明で使用されている重要な部材でありながら、正確なマーケット情報がないために、新規材料の開発状況やリモートフォスファーなどの新しい構成部材についての将来展望を大多数の新規参入研究者は理解できていない。  LED蛍光体は、従来の蛍光体産業とは全く異なるビジネスモデルを取っており、正しい技術情報およびマーケット情報は、世界中の研究者と企業を直接訪ねなければ得られない。  本講演では、現行の白色LED用蛍光体の長所と欠点だけでなく、それを解決するための新規蛍光体への取り組みを自身のグループだけでなく世界的な動向も含めて、講演者が実際に直接的にコンタクトした生きた情報として幅広く解説する。  特に重要な蛍光体の分子設計 – すなわち、どのようにすれば青色光励起で赤や黄色に発光するのか – について新規材料開発の実例に基づき詳細に述べる。結晶場分裂とサイトエンジニアリングが次世代LED用蛍光体の分子設計に対するキーポイントである。

  1. 蛍光体合成の基本と分子設計
    1. 蛍光体の歴史 「りん」という語源と悪魔の関係
    2. 蛍光体における発光スペクトルの形 バックライトは狭く、照明は広くてRaが高い方がいいは嘘
    3. 白色LED中の青色光は本当に危険なのか? 重要なのは本当は色温度
    4. リモートフォスファーのような新しい部材構成と本当に効果があるのか? ― 実はリモートという言葉と違う使い方が本質 ―
    5. Mn4+蛍光体を植物工場と太陽電池で利用する
    6. 希土類発光の特徴 なぜLED用蛍光体の母体はケイ酸塩と窒化物で、発光イオンはEu2+とCe3+ばかりなのか? 実はこれらの結晶構造には共通する特徴があった
    7. LED用蛍光体の特徴 バンド構造を持つ半導体との違いと新しい温度消光理論
    8. Eu2+やCe3+を青色励起で黄色、赤色に発光させるために必要な分子設計とその実例
    9. 新しい青色励起可能なLED用蛍光体の新組成が酸化物の中にあるか? そろそろ窒化物蛍光体の時代を終わらせようか
    10. 新しい合成法の長所と問題
      1. 水溶性シリコン化合物を用いた溶液法はリモートフォスファー向き
      2. 一酸化ケイ素を用いた気相法および固相法の将来性 単結晶コンビナトリアルの可能性
      3. 数秒で完了するメルト合成により得られる新規蛍光体群
      4. 窒化物の合成法 量産のノウハウ (反応容器、ガス、原材料
  2. 実用LED用蛍光体の長所と欠点
    1. 黄色 (Y,Gd) 3 (Al,Ga) 5O12:Ce (日亜化学) 優れた効率および熱特性に一方で特許問題は継続
    2. 黄色 (Ba,Sr) 2SiO4:Eu (豊田合成) 化学的安定性はコーティングで解決したが熱特性は問題、Baリッチの緑はリモートフォスファーで生き返るか?
    3. 黄色α-Caサイアロン:Eu 苦戦している理由は赤みの強い発光色
    4. 燈色 (Ba,Sr) 3SiO5:Eu 劣化の克服で色を改善する利用法はあるか?
    5. 赤色 Sr2Si5N8:Eu カズンに匹敵する優れた蛍光特性だが劣化問題とその解決法
    6. 赤色 (Ca,Sr) AlSiN3:Eu 合金法でリモートフォスファーに対する対応ができるかどうかは不透明
    7. 青緑-黄色 (Ba,Sr,Ca) Si2O2N2:Eu 魅力的な色に対して、安定性の低さで利用が難しい
    8. 緑色β-サイアロン:Eu 思ったほど色と効率が良くないのに使われる理由と内製化によるビジネスの難しさ
    9. 緑色Ca3Sc2Si3O12:Ce 新しい照明用緑蛍光体は興味深いが、ガーネット構造はパンドラの箱
    10. 緑色CaSc2O4:Ce 強力なライバルのLuAG
    11. 黄色Li2SrSiO4:Eu 新しい黄色蛍光体のビジネス的な問題点
    12. 黄色La3Si6N11:Ce 最近動きのある黄色蛍光体のYAGとの違いは?
    13. その他の蛍光体
      1. 東北大学の青色励起可能な赤色蛍光体とは? その組成となぜ今まで見つからなかったか?
      2. 北海道大学の耐熱性有機蛍光体とは? 無機蛍光体の100倍の明るさは本当?
      3. レンゴーのガイアフォトン (銀発光ゼオライト) とは?
      4. 宇部興産のMelt Growth Composite蛍光体ゼブライトとは?
      5. 小糸のクルムス蛍光体とは?
  3. LED用蛍光体のビジネス状況
    1. 1kg何十万円から何百万円以上の高価なLED用蛍光体がなぜビッグビジネスにならないのか?
    2. LED用蛍光体のマーケットの見積もり なぜ大きくバラついているか?
    3. 世界における蛍光体企業
      1. 日亜化学 蛍光体分野の大巨人の向かう方向
      2. 三菱化学 LED用蛍光体に特化も、最終的な狙いは自社製固体照明へのシフト
      3. 東京化学研究所 ランプ用蛍光体からの展開は可能か
      4. 根本特殊化学 中国での強い基盤
      5. 電気化学工業 新しい窒化物の開発状況
      6. Daejoo Electronic Materials (韓国) 高い開発能力を持つ新しい参入メーカー

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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