本セミナーでは、分散系における「チクソ性」の基礎から解説し、チクソ性の制御と測定のコツを詳解いたします。
液体中に分散した微粒子は、ほとんどの場合、凝集体を形成します。通常、このときの凝集力はそれほど強いものではないので、高せん断速度においては容易に破壊され、低せん断速度では可逆的に形成されることになり、測定のタイムスケールが構造変化に要する時間より短いと「チクソトロピー」が観測さることになります。一方、工業的には塗料やインクの流動性を特徴づけるためにしばしば「チクソ性」という技術用語が使われますが、「チクソ性」という学術用語はありません。この基となったのは学術用語の「チクソトロピー」と思われますが、両者は必ずしも同じではないため、実用上いろいろな不都合が生じることになります。 本セミナーでは、「チクソ性」と「チクソトロピー」の違いを明確にして、物性評価として「チクソ性」を測定するためのテクニックを紹介するとともに、微粒子分散系における「チクソ性」制御の考え方について概説します。