自動車廃熱回収技術動向と今後の展開

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
会場 開催

日時

開催予定

プログラム

第1部 自動車に求められる熱利用技術

(2014年3月26日 10:20〜11:40)

 自動車の燃料消費率改善は、燃料枯渇、二酸化炭素排出といった面から最重要課題となっている。内燃機関の熱効率改善のために様々な技術アプローチがなされているが、これまでは放出されていた「廃熱」の利用も注目されている。
ターボ過給は自動車で実用されている廃熱回収技術の一つであるが、このほか、BMWではランキンサイクルや熱電素子を使っての廃熱回収にも取り組んでいる。実用化を目指したこれらのシステムを紹介する。

  1. 二酸化炭素削減技術 – 動力の高効率化 -
  2. 自動車の走行時エネルギ – 利用状況 -
    1. 走行時エネルギーフロー
    2. パワートレインのエネルギーフロー
    3. 廃熱利用と車両消費電力 (排熱利用による電力供給)
  3. 廃熱利用技術 (自動車以外では実用化されている例が見られる)
    1. 発電所や大型船舶での廃熱利用
    2. 現在行われている自動車での廃熱利用
  4. BMWの廃熱利用研究紹介
    1. BMWの廃熱利用研究アプローチ
    2. ターボ過給
    3. ランキンサイクルシステム (第一世代)
    4. ランキンサイクルシステム (第二世代)
    5. 熱電発電システム
  5. 自動車廃熱利用の今後

第2部 熱電発電による自動車廃熱利用の可能性

(2014年3月26日 12:20〜13:40)

 最近、排熱利用技術のひとつとして熱電発電が注目されている。 熱電発電は、物理現象であるゼーベック効果を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに変換するため、駆動部が不要でスケールメリットが生じないという特徴を持っている。
ゼーベック効果を利用して発電を行うには、熱電材料に高温部と低温部を形成する必要があるが、自動車にはエンジン排熱や電子機器、ブレーキ周辺など多様な熱源が存在し、さらに冷却液や高速の空気流という冷源も存在するため、熱電発電には好適な環境が揃っている。  本セミナーでは、ゼーベック効果を利用した熱電発電の発電原理について解説し、その発電量と応用について述べる。

  1. 熱電発電の概要
    1. 熱電発電の原理
    2. 熱電材料について
    3. 熱電モジュールとその発電能力
  2. 積層一体型熱電モジュール
    1. モジュールの構成
    2. 材料の選定
    3. 発電能力
  3. 自動車排熱への適用の可能性
    1. 村田製作所の車載電子部品
    2. センサネットワーク応用
    3. 排気ガス発電の可能性
  4. まとめ

第3部 熱音響エンジンを用いた排熱回収システム

(2014年3月26日 13:50〜15:10)

 工場、自動車、工業機械などが使用しているエネルギの内、65%以上は排熱として未利用のまま捨てられている。これらの捨てている熱を「熱音響機関」を用いて回収し、電気や冷却・加熱に再利用するために研究を行っている。熱音響機関とは最近になって研究が開始された全く新しいエンジンであり、これまでのエンジンには無い、以下の特徴を有する。

 本講演では、熱音響機関の概要並びに、自動車への応用を目指した本研究グループの最新の研究成果を紹介する。

  1. 背景
  2. 熱音響機関とは
    1. 熱音響機関の特徴
    2. 熱音響機関の原理
    3. 熱音響冷凍機の原理
    4. 熱音響機関の応用事例
    5. 多技術との比較
    6. 最新の研究動向
    7. 熱音響機関の問題点
  3. 研究成果
    1. 数値計算手法
    2. 数値計算と実験結果の比較
    3. 熱音響機関の最適化
    4. 実験結果
    5. まとめ
    6. 今後の展望

第4部 ケミカルヒートポンプを用いた自動車廃熱回収技術

(2014年3月26日 15:20〜16:40)

 各種廃熱を回収利用可能な化学蓄熱およびその発展システムであるケミカルヒートポンプによる自動車廃熱回収利用技術の実用化に向けての研究開発状況を紹介する。  これまでの研究成果より,エンジン排熱のかなりの部分は化学蓄熱・ケミカルヒートポンプで回収可能であり,使用時にはほとんど他のエネルギーを使用することなく蓄えられた化学エネルギーのみで高温熱や冷熱を高効率に生成できることがわかった。  このように排熱回収を伴う熱エネルギーリサイクル有効利用システムを導入できれば、プロセス自体は大きく変更せずにそのプロセスへのエネルギー投入法を革新したプロセス全体の省エネ化が可能である。

  1. はじめに
  2. エネルギーの3R有効利用
  3. 蓄熱によるエネルギー有効利用
  4. ヒートポンプによるエネルギー有効利用
  5. ケミカルヒートポンプの作動原理
  6. ケミカルヒートポンプ用反応材料
  7. ケミカルヒートポンプシステムの自動車関連研究開発状況
    1. エンジン廃熱蓄熱コールドスタート解消ケミカルヒートポンプシステム
    2. 冷凍車両用廃熱蓄熱型冷熱生成ケミカルヒートポンプシステム
    3. 電気自動車用温冷熱生成ケミカルヒートポンプシステム
    4. 地域エネルギーリサイクル有効利用ケミカルヒートポンプコンテナシステム
  8. 今後に向けて

会場

大田区産業プラザ PiO
144-0035 東京都 大田区 南蒲田1-20-20
大田区産業プラザ PiOの地図

受講料

複数名同時受講の割引特典について