(2014年3月26日 10:20〜11:40)
自動車の燃料消費率改善は、燃料枯渇、二酸化炭素排出といった面から最重要課題となっている。内燃機関の熱効率改善のために様々な技術アプローチがなされているが、これまでは放出されていた「廃熱」の利用も注目されている。
ターボ過給は自動車で実用されている廃熱回収技術の一つであるが、このほか、BMWではランキンサイクルや熱電素子を使っての廃熱回収にも取り組んでいる。実用化を目指したこれらのシステムを紹介する。
(2014年3月26日 12:20〜13:40)
最近、排熱利用技術のひとつとして熱電発電が注目されている。 熱電発電は、物理現象であるゼーベック効果を利用して熱エネルギーを電気エネルギーに変換するため、駆動部が不要でスケールメリットが生じないという特徴を持っている。
ゼーベック効果を利用して発電を行うには、熱電材料に高温部と低温部を形成する必要があるが、自動車にはエンジン排熱や電子機器、ブレーキ周辺など多様な熱源が存在し、さらに冷却液や高速の空気流という冷源も存在するため、熱電発電には好適な環境が揃っている。
本セミナーでは、ゼーベック効果を利用した熱電発電の発電原理について解説し、その発電量と応用について述べる。
(2014年3月26日 13:50〜15:10)
工場、自動車、工業機械などが使用しているエネルギの内、65%以上は排熱として未利用のまま捨てられている。これらの捨てている熱を「熱音響機関」を用いて回収し、電気や冷却・加熱に再利用するために研究を行っている。熱音響機関とは最近になって研究が開始された全く新しいエンジンであり、これまでのエンジンには無い、以下の特徴を有する。
本講演では、熱音響機関の概要並びに、自動車への応用を目指した本研究グループの最新の研究成果を紹介する。
(2014年3月26日 15:20〜16:40)
各種廃熱を回収利用可能な化学蓄熱およびその発展システムであるケミカルヒートポンプによる自動車廃熱回収利用技術の実用化に向けての研究開発状況を紹介する。 これまでの研究成果より,エンジン排熱のかなりの部分は化学蓄熱・ケミカルヒートポンプで回収可能であり,使用時にはほとんど他のエネルギーを使用することなく蓄えられた化学エネルギーのみで高温熱や冷熱を高効率に生成できることがわかった。 このように排熱回収を伴う熱エネルギーリサイクル有効利用システムを導入できれば、プロセス自体は大きく変更せずにそのプロセスへのエネルギー投入法を革新したプロセス全体の省エネ化が可能である。