新薬の開発中止を未然に防ぐための薬物動態 (代謝物) と安全性の着眼点

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第1講 開発中止を未然に防ぐ非臨床安全性の着眼点

(2014年3月24日 10:30~12:00)

 新薬の開発中止の原因として1991年には、非臨床試験の有効性と薬物動態 (バイオアベイラビリティ) 、2000年には有効性と薬物動態 (毒性) が臨床試験成績と二分した。2010年には非臨床の有効性と安全性が中止原因の約6割を占めると報告されている (2010年) 。
開発中止の原因は探索技術の進歩とともに変遷しているが、薬物 (原薬) の安全性は、直接作用 (標的毒性) と間接作用 (酵素誘導・阻害) からなる毒性と同様に代謝物でも直接と間接作用が毒性に深く関わる。代謝物が遺伝毒性、発がん性に係わることも珍しく、原薬と異なる毒性発現もみられる。  薬物の代謝経路については、多くの文献、書籍が発行されているため詳細は譲るが、新薬の開発中止の原因の事例を種差を含めて示し、代謝物の毒性評価の対策並びに課題のポイントを解説いたします。

  1. はじめに
    1. 新医薬品の開発期間
    2. 創薬から申請までの代表的ステップ
    3. 創薬の代表的ステップ
    4. 開発中止事例と原因
    5. 薬物代謝物とは
    6. 毒性試験とは
  2. 薬物代謝における毒性評価のポイントと事例
    1. 薬物活性標的の毒性評価
    2. 薬物代謝物の毒性評価
    3. 化学構造と毒性予測
  3. 代謝における酵素誘導と阻害
    1. 酵素誘導と毒性評価
    2. 酵素阻害と毒性評価
  4. 代謝物とリスクアセスメント
    1. 標的毒性によるリスク
    2. 遅延毒性によるリスク
    3. in silicoによる予測

第2講 開発中止を未然に防ぐ薬物動態 (代謝物) の着眼点

(2014年3月24日 12:30~16:30)

 薬物動態が原因で開発を断念することが40%もあった1990年以前に比べ、現在、純然たる薬物動態が原因で開発を断念することは激減し「ほぼゼロ」と言ってよい。しかし、薬物相互作用や予期せぬ代謝物が原因で開発中止に追い込まれたり、開発により多くの時間と費用を費やしたりするケースは依然として少なくないと聞く。
この問題は、代謝物に対するスクリーニングや代謝物に関するスクリーニング・試験を実行すれば、今や「防げる問題」でもある。しかし、その王道的な手法を理解し、創薬で実践していなければ、思わぬ落とし穴にハマることになる。  本セミナーでは、開発中止を未然に防ぐ代謝、代謝物関連の試験・スクリーニングをその留意点も含めて解説する。さらにコンピュータを駆使した代謝物予測法も解説する。3極のガイドラインも踏まえて開発中止を未然に防ぐ薬物動態 (代謝物) の着眼点を総合的に学ぶ充実したセミナーとする。

  1. (はじめに)
    • 変化する医薬品研究環境。薬物動態 (代謝) 研究者の意識改革。
  2. 開発中止に至る代謝 (物) に関する問題点
    • 代謝 (物) に関するDDI (薬物相互作用) 、MBI (Mechanism Based Inhibition) ・TDI (Time dependent Inhibition) の実態など
  3. 代謝、代謝物に関する評価系、判断基準、予測法解説
    1. 代謝試験、薬物相互作用 (DDI) 、MBI・TDIなど
      • 代謝や代謝物に関連する試験・プロトコールの紹介と実験上の留意点
    2. 上記各評価系・スクリーニング系におけるクライテリア
      • クライテリアの設定根拠、評価のフローチャートなどを示して解説
    3. 代謝物の単離と同定法
      • LC/MSを駆使した最近の方法、LC-NMR等など
    4. 代謝物の予測・改善法
      • コンピュータを駆使した方法も紹介 (セミナー会場で実演の予定)
    5. 代謝・代謝物に関する3極ガイドライン
  4. (おわりに)
    • 開発中止率 (Attrition) の改善に向けた研究者の活躍と展望。

会場

江東区産業会館
135-0016 東京都 江東区 東陽4丁目5-18
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