(2014年2月17日 10:30〜11:40)
CCSの概要を示すとともに、CCSをめぐる環境の変化、政策、技術、プロジェクトの動向について紹介し、最後に課題を確認する。課題の中で、経済性についても触れる。これらを通じて、CCSの現状について総合的な理解を深めることを目的とする。
(2014年2月17日 12:40〜13:50)
最近世界の温暖化対策が停滞している状況にあるが、その根本原因と米国を中心としたシェールガス革命がCCSに与える影響を論じ、三菱重工の化学吸収法によるCO2回収技術とその実績を解説する。
(2014年2月17日 14:00〜15:10) 炭酸ガスによる地球温暖化が、全世界の大きな問題となって顕在化している。国内の炭酸ガス排出量の内、製鉄業は15%を占めている。このため、炭酸ガス排出量の削減は、製鉄業にとって重要な課題である。鉄鋼連盟では、環境調和型製鉄プロセス開発 (COURSE50) プロジェクトを2008年から開始し、2030年までに炭酸ガス排出量を30%低減する技術を開発中である。 本講座では、このCOURSE50プロジェクトの一部である、高炉ガスからのPSAによるCO2分離技術について解説したい。従来PSAは高純度の高価なガスを得る手段として普及している。一方、本開発では、価値の少ない、しかし年間数百万トンという膨大な量のCO2を分離するため、回収費用を如何に低減するかが大きなカギとなっている。そこで、これまでのPSAとは異なる考え方を導入し、回収費用の低減を進め、実機イメージを構築するまでにこぎつけた。本講座では、これらの経緯について、詳細に解説する予定である。
低炭素化社会の構築のために、製造業においては各工場におけるプロセス全般の効率化や低環境負荷型プロセスへの移行が必要になっている。特に分離プロセスにおいて大量のエネルギーを消費することから、新エネルギー・省エネルギー関連技術として膜分離プロセスが注目されている。 本講座では、地球温暖化問題と関係が深いCO2 の膜分離システムの開発の現状について解説する。CCSに適用可能な工場排ガスや火力発電所におけるCO2分離膜システムの開発のほか、メタンや水素との分離ニーズに適用可能な高性能なCO2 分離膜の研究開発は、世界規模の新市場の出現につながり、我が国の資源・エネルギー制約の克服と、新たな産業の創成、雇用の創出を可能にする「グリーンイノベーション」の先導として期待されている。