理論編
近年、臨床試験でも応用が進んでいるベイズ統計学について、その理論的な内容を概説致します。ベイズの定理を含む基本的な内容から、ベイズ推測の手法、ベイズ法を用いた臨床試験デザインを紹介します。また、ベイズ法を用いると複雑なモデリングが可能になることを示すとともに、その鍵となるマルコフ連鎖モンテカルロ法について概説致します。最後にベイズ法において技術的に問題となる点についても考察いたします。
- ベイズ統計学の基本
- “母数”の考え方
- 事前分布、尤度、事後分布
- ベータ分布、正規分布の例
- ベイズ推測
- 点推定と区間推定
- オッズ比、ハザード比の推測
- ベイズファクター、p値、事後確率
- 予測分布の導出
- ベイズ流デザイン
- “αエラー”と”検出力”
- 期待症例数と最大症例数
- 柔軟な”中止”基準の設定
- シミュレーションと感度分析
- ベイズ流モデリング
- ベイズ階層モデル
- ダイナミックモデル
- ベイジアンネットワーク
- アダプティブデザインのモデリング
- マルコフ連鎖モンテカルロ
- メトロポリス・ヘイスティング
- ギブスサンプラー
- 収束診断
- ベイズ法の注意点
- 事前分布の選択
- 外部情報の利用とdiscounting
- アダプティブデザインと評価項目
- 解析結果のinconsistency
応用事例編
現在、臨床応用が進んでいるベイズ統計学の応用事例について紹介いたします。ベイズ流の試験デザインでは、様々な種類のアダプティブデザインについて紹介し、実際の臨床試験の事例も紹介いたします。また、ベイズ法を用いて頻度論の臨床試験をデザインする方法論を紹介するとともに、近年注目を集めているベイジアンネットワークの利用についても事例を紹介いたします。最後に、ベイズ法を用いた臨床試験で応用上問題となる点について紹介いたします。
- ベイズ統計学の利用
- 柔軟な臨床試験デザイン
- ベイジアンネットワークの利用
- 臨床試験デザインの感度分析
- 柔軟な臨床試験デザイン
- 治療群への割付確率の逐次変更
- 治療群への割付早期中止
- 有効性、futilityによる早期試験中止
- 治療が効くサブ集団の逐次推定
- バイオマーカー情報の利用
- 多剤・多用量の同時比較
- 第Ⅱ/Ⅲ相シームレス臨床試験
- CRMとその発展モデル
- 事例紹介: 臨床試験デザインの感度分析
- ベイズ-頻度論ハイブリッド法
- 症例数設定の”不確実性”の考慮
- 事例紹介: ベイジアンネットワークの利用
- ネットワークメタ解析
- Mixed treatment comparison
- Direct and Indirect evidence
- 事例紹介: ベイズ法の注意点
- 事前分布の選択
- 外部情報の利用とdiscounting
- 解析結果のconsistency評価
- 逐次解析システムの構築
- 代理変数の必要性と評価
- ベイズ法に対する理解と”力量”