本セミナーでは、次世代自動車用燃料に関する最新動向と、今後のビジネス・チャンスについて解説いたします。
地球温暖化、大気汚染をはじめとした環境問題への対応から、世界的に環境対応自動車の拡大が求められる中において、地球環境に優しく、エネルギー効率が優れた次世代自動車として、燃料電池車、電気自動車、天然ガス自動車の開発・普及が進められている。 燃料電池車は、水素と酸素を反応させて電気を作る燃料電池による自動車として、水以外の汚染物質を一切出さず、究極のエコ・カーとされる。しかし、燃料電池車は、2002年における世界最初の実用車の段階では1台1億円以上の生産コストがかかり、現時点における国内の燃料電池車は50台にとどまり、価格の高さが本格的な普及のネックとなっている。しかし、高価な白金触媒の使用量の削減等により、2015年にはトヨタ自動車とホンダ自動車が、1台500万円の燃料電池車の販売を計画し、2025年には世界で180万台、日本で20万台の燃料電池車が販売され、世界の水素ステーションは3,100ヵ所に達すると見込まれる。水素ステーションは、1基6億円、2015年度までに日本国内に100基程度の建設が計画されている。 電気自動車も、リチウム・イオン電池の技術進歩により、拡大が続いているものの、ガソリン自動車と比較して、「短い航続距離」、「少ない充電ステーション」、「高価な蓄電池」が課題となっている。しかし、国内の電気自動車用充電器を1,400基から10万基に増やす目標が掲げられ、補助金制度の整備も進んでいる。世界の電気自動車向け充電器市場は2020年には2,600億円を超えると予測されている。 また、シェール・ガス革命によって天然ガス価格が下落し、米国においては、圧縮天然ガス自動車 (CNG) 、LNG (液化天然ガス) 自動車、LNG機関車の開発・普及が進んでいる。天然ガス自動車は、従来のガソリン・エンジン、ディーゼル・エンジンの簡単な改良によって生産することが可能であり、軽油と比較して、運行コストが30%程度削減でき、硫黄酸化物、窒素酸化物の排出を大幅に削減できるというメリットがある。天然ガス自動車は、世界で1,500万台に達しているが、2035年には7,500万台に増加すると予測されている。それに伴って、天然ガス、LNGの供給ステーションも大幅に増加することが見込まれる。 今後2020年~2030年に向けて、次世代自動車用燃料として、水素、電気、天然ガスの利用が大幅に増加することが確実であり、次世代自動車の普及に伴って、エネルギーの安定供給、供給ステーションの建設をはじめとした大きなビジネス・チャンスが期待できる。次世代自動車用燃料に関する最新動向と今後のビジネス・チャンスについて、的確に詳説する。