変形性関節症 (OA) は患者数の最も多い関節疾患であるにもかかわらず、その進行を抑止できる治療法は確立されていない。これはOAの病態解明が遅れていたからである。しかし最近の研究成果からOAの病態に関する理解が大きく変化してきた。 本講座でははじめにOAの発症、進行のメカニズムについて現在の一般的な病態の理解と最近の知見を概説した後、OAのバイオマーカーについても触れる。また後半では演者自身のデータを含めて治療薬の開発を念頭に我々が現在までに得た知見と今後の研究の展開について述べる。