2013年は北米ケーブル業界に取っては歴史的な変革点を迎えた。Broadbandと電話の加入者減少が始まったからだ。その先頭に立っているのが、Time Warner CableとCablevisionである。まだ、全社増収増益で非常に好決算の状況ではあるが、危機感は日増しに強まっている。 TV市場は4KTVへの移行が始まっている。加入者減と新しい4KTVへの対応をどのように行うか?併せて、電話会社との競争でトリプル・プレイから携帯を含めたクアドロ・プレイの時代へと動いている。このため、ケーブル業界の関係者は今の規模では戦えないと見ている。この状況で、もう一度ケーブル業界を合併等で再編し、効率化を図る動きが出てきている。その背景等も紹介する。 各社の4KTVヘの対応については、幹線のHFCとDOCSIS3.0ケーブル・モデムへの投資を含めて、新規システム更新とそのテスト状況をご紹介する。特に、4KTVへ対応するために、いよいよ2256QAMの放送からDOCSIS3.0 OFDMモデムの導入で、主力サービスをIPストリーミング方式のSVOD、VODへの移行が想定されている。これは、加入者1世帯あたりの投資を減らして、あらゆるサービスに対応できるプラットフォームを構築しようとしている結果である。 本講演では、これらシステムに関わる最新動向の紹介とともに、STBの標準化を中心に、北米映像配信事業者の最前線の取組みについてご紹介する。日本の多チャンネル配信事業者、放送局、コンテンツ、通信事業者他、広く関連事業者の将来対応の一助となれば幸いである。