スラリー制御・評価のコツを知る

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本セミナーでは、微粒子分散系を議論する上で必要な基本事項を説明し、次いでどのように考えたら複雑なスラリー挙動を解明できるのか、具体的なデータを例示しながら解説いたします。

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プログラム

溶融・溶解工程を含まない無機材料プロセスにおいては、数μm 以下の微粒子が原料や中間製品として取り扱われることが多い。そしてそれらの微粒子は乾式ではなく液に分散されたスラリーとして取り扱われ、このスラリー制御の良し悪しが最終製品の性能に決定的な影響を及ぼすことは、広く経験されていることであるが、スラリーの取扱に対する工学の体系化ははなはだ不十分であるため、依然として試行錯誤に頼らなければならない状況が続いている。 微粒子分散系を取り扱う学問としてコロイド科学がある。コロイド科学はスラリーの挙動を議論する上で大変有力な武器にはなるが、粒子濃度が希薄で単純な系を対象としているため、高濃度で複雑な現実のスラリーに適用するには限界がある。一方レオロジーは、スラリーの流動性を議論できる学問であるため流動挙動が大切な成形工程までは大変有効で、現在スラリーは主に流動性を指標として評価されているが、成形体の密度や充填構造を予測しようとすると限界がある。固液分離工学も高濃度スラリーを対象とするが、関心は如何に早く液を抜くかにあり、製品となる粒子側にはほとんど関心が払われていないため、無機材料プロセスにとって有効な学問とは言い難い。  本セミナーにおいては、微粒子分散系を議論する上で必要な基本事項を説明し、次いでどのように考えたら複雑なスラリー挙動を解明できるのか、具体的なデータを例示しながら解説し、受講者と一緒に考えいく。

はじめに

  1. スラリーに関する素朴な疑問と基本的考え方
    1. 微粒子を液に分散し、スラリーとして扱う理由
      • 粒子濃度をできるだけ高くする。分散媒量を減らす
      • 形状付与、構造制御
      • 流体と一緒に運動する
    2. なぜスラリーの挙動は複雑か
      • 粒子集合状態
      • 未解明の影響因子
    3. 問題解決の道筋
    4. 材料プロセスで重要な評価項目
  2. 粒子/分散媒液界面での挙動とその評価法
    1. 親液・疎液性 (溶媒和)
    2. 濡性
      • 毛細管力
      • 濡性の評価法
    3. 帯電
      • 帯電機構
      • 帯電電位の測定
    4. 界面活性剤の吸着
      • 界面活性剤
      • 吸着機構
      • 吸着量の測定
      • 高分子電解質の吸着挙動
  3. 粒子の分散・凝集機構
    1. 親液・疎液性
    2. 静電帯電
    3. 高分子電解質
  4. 流体中における粒子の挙動
    1. 沈降挙動
    2. 沈降時の衝突
    3. 拡散挙動
    4. 凝集挙動
      • 沈降凝集
      • 拡散凝集
      • 凝集形態
  5. 流動挙動とその評価
    1. 流動曲線
    2. 定常流動
    3. 流動性の評価法
    4. 流動性の評価例
    5. 粘弾性
      • 粘弾性モデル ○粘弾性モデルの適用
    6. 動的粘弾性
  6. 粒子充填特性の評価
    1. 流動特性と充填特性
    2. 充填特性と顆粒形態
    3. 充填特性の評価法
      • 回分沈降試験
      • 静水圧測定法
      • 定圧ろ過法
    4. 堆積層の固化
    5. スラリー特性の経時変化
  7. 粒子集合状態の評価
    1. 粒子濃度と粒子間距離
    2. 粒子集合状態の直接観察
    3. 毛管吸引時間測定による粒子集合状態の評価
    4. 顕微鏡による直接観察
    5. ナノ粒子の集合状態評価
    6. 多成分粒子のスラリー
  8. 製品特性の予測と新たなプロセス技術の開発
    1. シート成形されたテープの亀裂予測
    2. ケークレス高濃縮ろ過装置
    3. 新規造粒技術
      • 分散剤で造粒
      • ケミカルフリー造粒

会場

大田区産業プラザ PiO
144-0035 東京都 大田区 南蒲田1-20-20
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