固体高分解能NMR法は、有機、無機を問わず様々な材料に適用され、構造解析、分子運動解析に利用されています。溶液NMRと異なり、固体NMR法はルーチンで自動測定する状態にはまだ至っていません。どうしても測定のノウハウがあり、また解析もいろいろな測定手法があるため、NMRを勉強していない方には、現在においても少しハードルが高い機器です。
この講座を受講することで、測定のときにどこに気をつけるべきなのか、また解析はどうやって行い、データを読み取れば良いのか、基礎から学ぶことができるでしょう。
- NMRの基礎 (溶液)
- 化学シフトとスピン結合
- FT法とパルス
- 緩和
- 固体高分解能NMR法の基礎と特徴
- パルスと照射パワー
- 高出力パワー1Hデカップリング
- MAS法とCP法
- トラブル回避その1 (チューニング)
- トラブル回避その2 (90°パルスの調整とMAS角調整)
- トラブル回避その3 (CPの調整)
- トラブル回避その4 (化学シフト値と観測幅)
- トラブル回避その5 (CPの長さとMASの速さ)
- トラブル回避その6 (温度校正)
- 緩和時間とスピン拡散 (測定法と注意点)
- CPMAS法とDDMAS法 (結晶相と非晶相の分離、運動性の違いによるスペクトルの変化)
- スペクトルならびに緩和曲線の解析法 (波形解析ならびに1Hスピン拡散)
- 固体NMRの応用1-ポリマーアロイ・ブレンド類
- 相溶性解析
- 相溶性と相分離過程
- 相溶性と分子運動、熱安定性、相互作用
- 結晶相の構造変化と非晶相の吸湿効果:衝撃力との関連性
- 結晶多形
- 固体NMRの応用2-有機/無機複合体
- 常磁性緩和の利用
- 高分子/粘土鉱物複合体のモルフォロジー解析
- 結晶相の大きさと高分子の融点
- 固体NMRの応用3-ネットワーク形成およびゴム材料
- 水溶液性エポキシ樹脂の反応過程
- ポリアミドの架橋反応と運動性 (緩和時間)
- SBR/Siの1H 緩和時間の温度依存性とMAS速度
- 天然ゴムの静止状態13C NMRスペクトル