第1部 中国・ロシアにおける天然ガス・LNGの現状と今後の展開 (仮)
(2014年1月29日 10:30〜12:10)
3.11以後の日本では、原子力発電所の再稼働の見通しが明確にならない中で、ガス焚の火力発電量が増加している。日本は原子力エネルギーにどう向かい合うのかと言う大きな課題を背負いつつ、増加した火力発電の維持のために、輸入LNGの量的確保 (エネルギー安全保障) とその価格の引き下げ (国際収支の改善) に向かった努力が要求されている。
日本の隣国であり、且つ世界最大のガスの輸出国であるロシアと、世界で最も急速にガスの需要を拡大している中国が、この日本の置かれた立場に対し今後与える影響は、恐らくかなり大きなものであろう。それが具体的にどのようなものであるのか、を通覧する。
- なぜ中国・ロシアのガスでの動きを知らねばならないか?
- 化石燃料の時代はまだ続く
- 日本のエネルギー需要予測
- 日本のエネルギー政策の目標と中国・ロシア
- 世界のガス市場
- 過去のガス生産・需要の推移
- LNGの生産・販売拡大
- シェール・ガス革命と日本のエネルギー政策
- ロシアと中国の世界ガス市場での立場
- ロシア
- ガス生産国/輸出国・ロシア
- 東シベリア・極東のガス田
- 東進政策 -ガス田開発と東シベリア・極東開発の連動性、ロシアの東進政策を支える要素
- アジア・太平洋地域に向けてのガス輸出政策 -どれだけアジア太平洋地域にガスを輸出できるのか
- 中国
- ガス需要急増国-これまでのガスの需給
- ガスはどれだけ中国にとって必要か? -最近の環境問題
- どこまでガスの需要を増やせるのか? -中国のエネルギー輸入政策
- 中露のガス取引
- 交渉経緯
- 今後の中露間のガス取引の展望
- 日本への考えられる影響
- 日本の為すべき事
第2部 LNG液化プラント技術の動向と課題、今後の展望
(2014年1月29日 13:00〜14:40)
エネルギーは、ガスの時代、LNGの時代と言われて久しいが、昨今は「シェールガス革命」の話題が世界を席巻している。LNG液化プラントビジネスも、この大きなうねりに巻き込まれており、迅速に対応せざるを得ない状況である。
講演では、新型ガス田 (シェールガスを含む) のLNGプラント液化フローへの影響、従来型LNGプラントとの差異、LNG液化プラントの動向、対応技術、冷媒コンプレッサー駆動機の変遷を、日揮のLNGプラントへの取り組みとともに紹介する。
- 新型ガス田の特徴 (シェールガスを含む)
~ 装置へのインパクトは何か?
- 天然ガス液化技術動向
~ 冷媒コンプレッサー駆動機の変遷が鍵
- 炭酸ガス排出
~ LNGは本当にクリーンか?
- 中小ガス田開発への対応
~ 大型液化以外のオプションも提供
- モジュール工法
~ 今後のトレンドとなりえるか?
- 洋上天然ガス液化基地
~ 陸上と異なる点は何か?
第3部 シェールガスによる化学産業への影響・課題・発展と触媒技術動向
(2014年1月29日 14:50〜16:30)
米国に始まったシェールガス革命は予想以上のスピードで世界の産業に影響を及ぼし始めた。エネルギー産業にとっては朗報であるが、石油原料のナフサを原料としている日本やアジアの石油化学は米国のシェールガス由来のエチレンプラントが稼働し始め、安価なエチレン誘導体の輸出が本格化すると競合ができず存亡が危ぶまれる。エチレン誘導体以外は石油精製プラントのFCCプロセスの副生ガス利用が一つの解決策であるが一筋縄ではいかない。
- 石油化学原料としてのシェールガス
- シェールガスによるエチレンの製造
- シェールガスによる世界一安価な米国ポリエチレン価格
- 安価な米国エチレン誘導体の輸出
- シェールガスのもたらす世界的な石油化学原料供給のアンバランス
- 新たなプロピレン製造技術
- 新たなブタジエン製造技術
- 合成ガスの利用
- メタンの直接利用触媒
- エタンの直接利用触媒
- プロパンの直接利用触媒
- FCC副生ガスの利用