日本の電池産業は、2000年代中ごろまで民生用リチウムイオン電池を中核に揺るぎない地位を築いていた。しかし、それ以降、サムスンSDIやLG化学の躍進によって日本の世界シェアに陰りが見えはじめ、現在のシェアは韓国勢が日本勢を超えている。
他方、車載用は日本の自動車メーカーが世界を牽引しているゆえ、日本の電池業界が力強さを発揮している。また定置用蓄電用途では各電池メーカーが車載用電池を蓄電用にシステム化するビジネスが主流になっているが、市場としては日本の住宅用が先行しているのが現状である。
本セミナーでは、日本のリチウムイオン電池の再構築を、ビジネスモデルの側面から探ると共に、その中で重要度の高い安全性の問題を集中的に扱う。安全性試験の計画、実施とその評価を、現行の内外の規格などとの対応で解説する。
- リチウムイオン電池のビジネスモデルとグローバル競争力
- 電池の事故・リコールの歴史
- 民生用リチウムイオン電池の動向
- リチウムイオン電池の競争力
- 安全性評価試験と国際標準
- 部材業界の競争力
- 二次電池における知財問題
- 日本の電池産業が競争力を失った理由
- 車載用リチウムイオン電池の動向
- ZEV法規発効からの電動化の流れ
- リチウムイオン電池の魅力
- サムスンのリチウム電池事業戦略と製品
- 素材・部材開発動向
- 次世代素材の開発動向
- 自動車各社の電動化開発動向
- 電動化の市場予測
- 安全性・信頼性の開発領域
- コスト展望
- 次世代将来電池の可能性
- グローバル競争力向上のための施策
- 実務に沿った安全性試験の計画、実施と評価
講師 菅原 秀一 氏 泉化研 (株) 代表
(元呉羽化学工業 技術担当部長/元三井物産 PM/元ENAX 先端技術室長)
- :50~16:50 (質疑含)
- 電池の国内外の規格 (JISと海外の規格、規格案)
- 規格の定める内容と諸規格のマップ
- 基礎特性の測定規格と実施条件 (1) JIS C 8711他
- 基礎特性の測定規格と実施条件 (2) JIS C 8715-1
- 海外の規格 (案) と特性パラメーター (USABC、EUCARほか)
- 電池の安全性規格と試験方法 (JIS、UL、UNほか)
- 安全性規格と試験の性格 (目的、方法と結果)
- 安全性規格などの一覧表と試験の概要
- 認証システムへの移行と実例
- 電気用品安全法と技術基準 (JIS C 8714ほか)
- 新JIS C 8715-2の安全性試験と要求事項
- UL、UNその他の安全性試験と要求事項
- 電力貯蔵用電池規程 (電気事業連合会)
- 安全性試験の実施と測定データ例
- 試験の実施計画、項目の選定と手順
- 試験に必要な機器類と要点
- 試験の測定データの事例と解説
- 開発プロジェクトでの安全性試験の事例
- 電池 (セル、モジュール) 輸送関係の規制と実務
- UN危険物輸送基準勧告とICAO・IATA
- 輸送のカテゴリー (国内、国際、郵便、宅配)
- 船舶安全法とIMO
- 輸出の準備手順と書類等
※ プログラム充実のため内容が変更になることもあります。