高分子材料は金属材料などではみられない特有のレオロジー特性 (粘弾性特性) を示し、この特性が成形加工プロセスの制御を難しくさせています。このため、加工特性に優れた高分子材料を開発するには、材料のレオロジー特性と成形加工プロセスの両面を理解することが求められます。 また、高分子材料を用いて加工製品を開発する際には、レオロジー特性の理解に基づいた成形加工プロセスの最適化が求められます。これらの場面で、成形加工プロセスの数値解析技術が有用なツールとなります。 この講座では、高分子材料の成形加工に関連するレオロジーの基礎について説明し、溶融粘弾性解析に基づいた成形加工の流動解析の方法、および各種成形加工法を対象とした流動解析の事例について、活用上の留意点を含めて報告します。