PIC/S加盟に向けた準備の一環として「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」が全面改正され、また、GMP省令逐条解説の一部 (バリデーション基準を含む) が改正された。無菌操作法改正、GMP省令逐条解説改正の要点及び三極レギュレーションの比較を解説する。
クリーンルームの清浄度を維持するためには定められた清掃消毒、環境モニタリング、
空調設備の点検および作業員の衛生教育、防塵教育訓練が必要であるが今回は各々の点について詳しく説明する。
また、作業員が与えられた無菌操作作業を正確に実施するためには、作業手順書が必要である。その作業手順書作成のポイントについても解説する。
第1部 PIC/S GMP・無菌操作法改正に伴いクリーンルームに求められる要求事項
- 三極レギュレーション比較
- 医薬品のGMPガイダンス
- 医薬品製造における清浄度基準
- 無菌医薬品製造における空調要件の比較
- 三極GMPにおける清浄度と換気回数
- 無菌操作法の改正点
- 用語の定義
- 清浄度レベルによる作業所の分類
- 環境モニタリング
- アクセス制限/バリアシステム (RABS)
- プロセスシュミレーション
- GMP省令逐条解説
- 品質リスクマネジメントの活用
- 製造品質管理業務について
- 施行通知の改正:逐条解説、バリデーション基準
第2部 三極に対応したクリーンルームの日常管理・清掃の実施と作業者への教育
- クリーンルームの設計
- クリーンルーム設計の留意点
- 空調フローおよびエアフィルター
- 無菌製剤ゾーニングと空調システム
- クリーンルームの維持管理
- HEPAフィルターの管理
- 環境モニタリング (浮遊微粒子、浮遊微生物、落下菌)
- 環境モニタリングの頻度と処置基準
- 空調管理 (温度、相対湿度、換気回数、室間差圧、清浄度)
- 衛生管理 (作業者の服装基準・健康管理・清潔度)
- 昆虫管理
- 清掃消毒 (日常清掃消毒・定期清掃消毒・特別清掃消毒)
- ガス殺菌 (ホルムアルデヒド、オゾン、過酸化水素)
- 消毒剤の効果と作用機能、殺菌消毒剤の管理
- クリーンルームの定期テスト周期 (ISO14644-1)
- エアーフィルターの定期点検
- クリーンルーム従事者の教育
- 衛生面
- 無菌操作技術面
- 微生物学の基本知識
- 更衣手順
- 当該職員が関わる無菌医薬品に係る製品の製造技術
- 設備及び製造環境の清浄化及び消毒
- 作業手順書作成ポイント
- 作業手順書とは
- 手順書を作成する必要性
- 作業管理と作業標準
- 作業手順書作成のポイント
- 実際の作業への落とし込み方法
- 作成したSOPを試用してみる
- SOPを用いて作業員教育
- 教育方法 (SOP教育時、作業員に次の心構えを徹底)
- 改善・創意工夫のステップ
- 「考える職員」へと勤しむ
- SOPの徹底化
- 手順書の管理
- 原本保管、写しの配布先
- 改訂のルール
- 現場での手順書保管場所
- クリーンルーム日常清掃作業手順書作成例