細胞膜表面に存在するリン脂質極性基の一種ホスホリルコリン (PC) 基を含有するジアミンあるいはジオール化合物を新たに合成し、重縮合や重付加反応によりPC基を側鎖に有するポリアミドあるいはポリウレタンなどを合成した。
得られたポリマーは、PC基のもつ高い生体適合性を反映して優れたタンパク非吸着性や抗血栓性を示し、さらに主鎖構造に由来するフィルム強度や耐熱性、耐溶剤性を併せ持つことを確認している。
よって、生体適合性と耐久性・強度を併せ持つ材料として各種医療材料に利用できることが期待できる。また、得られたポリマーのナノシート化とその物性、応用についても紹介する。