粒子分散安定化 スキルアップセミナー

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本セミナーは『粒子分散安定化 スキルアップセミナー』講座を3テーマセットにしたコースです。
セット受講で特別割引にてご受講いただけます。
通常受講料 : 129,500円 → 割引受講料 96,000円

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プログラム

「いかに分散できているか」「凝集を制御するか」が材料の特性、最終製品の品質に影響しますが、理想的な分散を獲得してそれを維持するのは極めて難しく、皆様日々お悩みかと思われます。  そこで本セミナーでは、最適な分散を実現するための「分散必須知識」「分散剤・添加剤の活用」「分散度評価」を切り口としてご経験が豊富な講師にお話しいただきます。  これまで単独で開催することが多かった分散のセミナーをあえて「凝集」して開催し一気に学ぶことで 目的にあったスキルアップ、課題解決、製品設計のヒントの獲得を図っていただけます。  全コースに参加することで、研究・開発・品質管理等の現場すぐに役立つ知識とスキルを身につけていただけると確信しております。もちろん各コース選択可能です。

微粒子分散安定化のための必須知識

(2013年12月5日 13:00~16:30)

 粒子分散系は、導電剤、電池、セラミックス、コーティング、インキ、など様々な分野で利用されているが、「ポテポテで流動性が無い。」、「うまく塗れない。」、「時間が経つと凝集したり、粘度が増加したりする。」、「粒子そのものは小さいはずだが、スラリー中でなかなか小さくできない。」などの問題に直面するケースが多い。  本講座では、上記の諸問題を解決するために必要となる、粒子を分散安定化するための基本的な考え方、粒子と分散剤 (高分子) と溶剤の最適な組み合わせ方、親和性を定量的に考えるための評価尺度、分散剤の作用機構・最近の開発動向と配合量の決め方、分散機の種類と最近の開発動向などを平易に解説する。

  1. 粒子分散の基本的な考え方
    1. 粒子分散とは一次粒子の凝集体 (二次粒子) を解凝集する工程である。
    2. 粒子分散の単位過程 ~ぬれ、機械的解砕、分散安定化~
    3. 主要成分 (粒子、分散剤や樹脂、溶剤) の親和性はどうあるべきか
    4. 粒子の分散状態や分散安定性と粒子分散系の性質
      1. 流動性
      2. 光学的性質
      3. 異種粒子を混合したときに生じる問題
    5. 粒子分散の評価法
  2. 分散プロセス概論
    1. 分散機の種類と特徴
      1. 高粘度用分散機
      2. 低粘度用分散機
    2. バッチ分散、パス分散と循環分散
    3. ナノサイズ分散
      1. ナノサイズ分散機の特徴
      2. 異種分散方式の組み合わせ
    4. 過分散 ~異常粘度や粒子物性の変化~
  3. 溶剤系における粒子分散の実際
    1. 溶剤、粒子の表面張力とぬれ性
      • ~だから溶剤系はぬれを意識しなくてもよい~
    2. 粒子、分散剤や樹脂の酸塩基性の評価法
      1. 非水電位差滴定法
      2. 等電点と等酸点
    3. バインダー樹脂で分散する ~酸塩基変性による分散用樹脂の調製~
    4. 溶剤選択
      1. 溶解性パラメーター
      2. 溶剤や樹脂のルイス酸塩基性度
        • ~Gutmannのドニシティとアクセプターナンバー~
  4. 水性系における粒子分散の実際
    1. 水の溶剤としての特異性
    2. 水性系での疎水性粉体の分散ではぬれのプロセスが重要
      1. 粒子の親水‐疎水性度とぬれ
      2. 粒子の乾燥凝集状態とぬれ
        • ~ガス吸着を用いた凝集隙間の評価~
    3. 水性系における安定化の考え方と事例
      1. DLVO理論のエッセンスと実用分散系に適用する際のチェック項目
      2. 疎水性相互作用による樹脂吸着
    4. ぬれと安定化を両立する粒子表面の最適親水性度
    5. 共存有機溶剤の影響
  5. 分散剤の活用
    1. 分散剤の分子構造
      • ~アンカー部と溶媒和部~
    2. 分散剤の評価とマッピング
    3. 最近の高分子量顔料分散剤の開発動向
      • ~精密重合法を活用した分散~
    4. 分散配合、分散剤配合量の決め方

粒子分散安定化に最適な分散剤・添加剤の選定技術

(2013年12月10日 10:30~16:30)

 粒子の分散安定化は材料設計において基本技術の一つである。有機顔料や金属酸化物・金属、カーボン系など粒子の構造・特性はそれぞれ異なる。また用途により、分散媒体やマトリクス (バインダー) も多岐にわたる。可能ならば、統一的・汎用的な見方があると、分散へのアプローチが楽になる。ここではコーテイング分野の実例を多く取り上げて、分散設計へのガイドとしたい。  あわせて、分散液を塗布するときにおける実際的な問題 (濡れ性・沈降・泡・平滑性など) についても、その解決策を紹介する。分散剤をはじめ、ここに紹介する各種添加剤はできうる限り、その構造と特徴、選択方法を示すようにした。

  1. どのようにして分散安定化を図るか:粒子とマトリクスと分散剤
    • ―問題は沈降?透明性?粒度分布?色?導電性?
    • ―溶媒のみ?バインダーも入る?
    • ―そもそもどのような性質の粒子か?有機顔料、金属酸化物、金属、カーボン系
  2. どうして分散剤で分散・安定化が図られるのか:メカニズム
    • ―粒子との相互作用、まずは吸着すること
    • ―周りにも気を使うこと、バインダー・溶媒との相互作用
    • ―忘れてならないのは最終製品の姿、使われ方、特性への影響
  3. では具体的にどのような分散剤があるのか:その構造と特徴
    • ―比較的小さな分子の分散剤、直鎖状ポリマー
    • ―分岐した構造の分散剤、いわゆるくし形構造
    • ―ABブロックの分散剤
    • ―超分岐タイプの分散剤
    • ―水系、溶剤系、UV系向けそれぞれの分散剤
  4. 最終製品によって求められる特性は異なる
    • ―カーボン系粒子の分散例
    • ―CNTの分散例
    • ―シリカ、アルミナの分散例
    • ―インクジェットでの分散例
  5. ではどのようにして分散液を均一に塗布するか;消泡剤、濡れ剤、レべリング剤
    • ―泡をなくしたい、水系では消泡剤は必須
    • ―きちんと基材に濡らしたい、薄膜では特に問題が多い、水系では深刻
    • ―塗布した時はよいが乾燥過程で平滑性が損なわれる
    • ―表面張力が関与するのはわかるが、どのようにして調整する
  6. 粘性制御について整理しておこう
    • ―分散体による粘性
    • ―添加するだけで粘性をコントロールするレオロジーコントロール剤
    • ―そもそも粘弾性・レオロジーの基礎
    • ―どんな粘性がこのましい
  7. 表面張力についても確認しよう
    • ―液の表面張力
    • ―固体・フィルムの表面張力
    • ―表面張力を上げる添加剤
    • ―表面張力を下げる添加剤

実用系における粒子分散系の分散度の評価技術

(2013年12月12日 10:30~16:30)

 近年、エレクトロニクスメーカー等によって製品化されている多くの商品は、インクと呼ばれる分散系、とくに濃厚分散系を経由して製造されることが多い。しかし、粒子濃度が高い故に光をプローブとする従来法を適用するのは難しい場合が多く、十分な評価が行われているとは言えないのが現状である。  本講では、評価すべき「分散度」の意味に関する基礎的事項の説明および実用系にすぐに役立つ最新評価技術について、できるだけ専門用語を用いずに解説する。水系に限らず有機溶媒系で微粒子・ナノ粒子を分散度の評価でお困りの方、分散度の指標としてゼータ電位以外の客観的手法をお探しの方に聴講して頂ければ幸いです。

  1. 実用分散系開発で遭遇する問題点の傾向と対策
    1. 1次粒子の評価法と凝集粒子の評価法は違うの?
    2. 粒度と粒子径-粒子径分布を測定するための最適手法とは?
      • - 希釈してから測ってもよいのですか? -
      • 「分散度」とは?
        • - 分散性と分散安定性の定義とは?
      • 分散安定性とゼータ電位の関係
        • ゼータ電位の適用法を考える
      • 分散性と粘度の関係を考える
        • 粘度が低いときは分散性が良いと考えて良いのですか? -
      • 水系と非水系分散系開発における分散度の評価ポイントとは?
  2. 実用分散系の分散度評価【1】 – 粉砕度 (微粒子化度) の評価
    1. 超音波スペクトロスコピーによる評価
      1. 超音波スペクトロスコピーの原理
        • 固体粒子から高分子、イオンまでが対象 -
      2. 超音波スペクトロスコピーを用いた粉砕度 (微粒子化度) 評価の特徴
        • - 希釈法との比較 -
      3. 濃厚分散系の粒度分布評価方法とその実用例の紹介
    2. パルスNMR法による評価 (プロセス管理法・粉砕工程管理法としての活用法)
      1. パルスNMR法の原理
        • - NMRで何を測って、何が分かるの?
      2. パルスNMR法による湿式比表面積測定
        • 相対評価とプロセス管理
    3. 遠心沈降法による評価
      1. 遠心沈降法の原理
        • 古くて新しい遠心沈降分析法;蛋白から微粒子まで -
      2. 遠心沈降分析法を用いた粉砕度評価
        • 米国CPS社の装置と実例紹介 ○独国LUM社の装置と実例紹介
  3. 実用分散系の分散度評価【2】 – 分散安定度の評価
    1. 水系および非水系分散系における分散安定化機構
      1. 静電反発力による安定化と帯電機構
        • どのようにしてナノ粒子は帯電するのか? -
      2. 立体障害による安定化と溶媒との親和性
    2. 遠心沈降分析法による評価 (スクリーニングおよび品質管理法としての活用法)
      1. 遠心沈降分析法の原理 (簡単に復習)
      2. 遠心沈降分析法を用いた分散性評価
        • 分散安定性の見える化 ○沈降速度の評価
        • ポットライフの見積りと実例 ○粒子圧密過程の評価と凝集粒子の検出法
    3. 超音波スペクトロスコピーによる評価
      1. 超音波スペクトロスコピーの原理
        • - ゼータ電位測定の原理の紹介
      2. 超音波スペクトロスコピーを用いた分散安定性評価
        • 濃厚系のまま測る経時変化 -
      3. 濃厚分散系の評価事例の紹介

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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