近年、エレクトロニクスメーカー等によって製品化されている多くの商品は、インクと呼ばれる分散系、とくに濃厚分散系を経由して製造されることが多い。しかし、粒子濃度が高い故に光をプローブとする従来法を適用するのは難しい場合が多く、十分な評価が行われているとは言えないのが現状である。
本講では、評価すべき「分散度」の意味に関する基礎的事項の説明および実用系にすぐに役立つ最新評価技術について、できるだけ専門用語を用いずに解説する。水系に限らず有機溶媒系で微粒子・ナノ粒子を分散度の評価でお困りの方、分散度の指標としてゼータ電位以外の客観的手法をお探しの方に聴講して頂ければ幸いです。
- 実用分散系開発で遭遇する問題点の傾向と対策
- 1次粒子の評価法と凝集粒子の評価法は違うの?
- 粒度と粒子径-粒子径分布を測定するための最適手法とは?
- - 希釈してから測ってもよいのですか? -
- 「分散度」とは?
- 分散安定性とゼータ電位の関係
- 分散性と粘度の関係を考える
- 粘度が低いときは分散性が良いと考えて良いのですか? -
- 水系と非水系分散系開発における分散度の評価ポイントとは?
実用分散系の分散度評価【1】 – 粉砕度 (微粒子化度) の評価
- 超音波スペクトロスコピーによる評価
- 超音波スペクトロスコピーの原理
固体粒子から高分子、イオンまでが対象 -
超音波スペクトロスコピーを用いた粉砕度 (微粒子化度) 評価の特徴
濃厚分散系の粒度分布評価方法とその実用例の紹介
パルスNMR法による評価 (プロセス管理法・粉砕工程管理法としての活用法)
- パルスNMR法の原理
- パルスNMR法による湿式比表面積測定
遠心沈降法による評価
- 遠心沈降法の原理
- 古くて新しい遠心沈降分析法;蛋白から微粒子まで -
- 遠心沈降分析法を用いた粉砕度評価
- 米国CPS社の装置と実例紹介 ○独国LUM社の装置と実例紹介
実用分散系の分散度評価【2】 – 分散安定度の評価
- 水系および非水系分散系における分散安定化機構
- 静電反発力による安定化と帯電機構
どのようにしてナノ粒子は帯電するのか? -
立体障害による安定化と溶媒との親和性
遠心沈降分析法による評価 (スクリーニングおよび品質管理法としての活用法)
- 遠心沈降分析法の原理 (簡単に復習)
- 遠心沈降分析法を用いた分散性評価
- 分散安定性の見える化 ○沈降速度の評価
- ポットライフの見積りと実例 ○粒子圧密過程の評価と凝集粒子の検出法
超音波スペクトロスコピーによる評価
- 超音波スペクトロスコピーの原理
- 超音波スペクトロスコピーを用いた分散安定性評価
- 濃厚分散系の評価事例の紹介