本講では蒸留の基礎と同時にExcelの蒸留技術計算への応用を解説・実習します。Excelのゴールシークやソルバーを使えば、全くプログラムを作らずに問題を解決できます。例えば気液平衡計算の沸点計算や,状態方程式を解いて実在気体の圧縮係数を求めるのにも使います。
蒸留技術計算では多くの実験式を使いますが、Excelには最小自乗法の関数が用意されていますので、容易に実験式を決定することができます。さらに、行列演算の関数を使えば、連立方程式を解くことができるので、2次以上の高次の実験式の係数も決定できます。
Excelにおけるマクロの記録という便利な機能を使えば、様々な問題を解決するマクロ (VBA) を作成できます。このマクロに改良を加えて、蒸留技術計算の効率を飛躍的に増大できます。Excelの機能を知って活用できるか否かは大きな差が生じます。
持参物:USBメモリをご持参ください。 (当日演習で使用したファイルをお持ち帰りいただけます。)
- 蒸留技術計算に効果的なExcelの機能
- Excelの仕組み,表計算利用上の留意点
- Excelツールの活用:方程式の解法,非線形問題の最適化
- Excel関数の活用:連立方程式の解,最小自乗法
- Excelマクロの効率的な活用方法
- A.VBAの効率的な活用方法
- B.マクロを自作VBAにより統合し、効率を大幅にアップする
- Excelによる蒸留塔の設計に必須の物性計算
- 理想気体の密度の計算
- 実在気体の密度の計算
- 比熱 (熱容量) 計算式の定数決定
- 蒸発潜熱計算式の定数決定
- 蒸気圧計算式の定数決定
- アントワン式の定数決定
- アントワン式定数の推算
- 沸点データのみから蒸気圧を推算する方法
- Excelによる気液平衡計算
- 理想溶液 ラウールの法則
相対揮発度による簡易計算法
沸点計算法 露点計算法
- 非理想溶液
- ウィルソン式による多成分系の推算
- ウィルソン式の定数決定法
- NRTL式による計算
- 完全不溶解系の計算
- 気液平衡における塩効果の計算
- Excelによる蒸留塔の理論段数計算
- フラッシュ蒸留
- 水蒸気蒸留
- 成分系連続蒸留における埋論段数
- 最小還流比の決定法
- 全還流と最小埋論段数
- 最適還流比の決定法
- Excelによる蒸留塔の設計
- 棚段塔の設計法
- フラッディング・ポイントの計算
- 塔径の決定法
- 飛沫同伴量の計算
- 圧力損失計算
- 棚段塔の効率 オコンネルの相関
- 充填塔の設計
- フラッディング・ポイントの計算
- 圧力損失の計算法
- 充填塔の高さ HETP
- 蒸留塔の設計に必要な数値