低炭素社会の実現に向けて、有機系太陽電池は次世代を担う発電素子として期待されている。即ち、従来型シリコン太陽電池に比べて製造時のCO2排出量が少なく、原材料の資源的制約も少ないうえ、カラー化・フレキシブル化・大面積化・高速印刷製造が可能であり、低価格化できる可能性を有している。
本講座では連続作動試験で既に8年の実績を持つ色素増感太陽電池について、最新の開発動向と長所・短所・実用化への課題を述べる他、ここ最近効率15%を越えて注目されている有機無機ハイブリッドのペロブスカイト型太陽電池の研究動向についても概説する。
- 太陽電池を取り巻く背景
- 化学で作る太陽電池の歴史
- 色素増感太陽電池の仕組みと特徴
- 色素増感太陽電池の作り方
- 色素増感太陽電池の材料技術
- 色素
- 有機色素 (D149, D205, …)
- Ru錯体色素 (DX1)
- 酸化チタン
- 色素増感太陽電池の固体化技術
- 擬固体型電解質
- ナノクレイ
- 全固体型電解質
- 低分子ホールコンダクタ (Spiro-OMeTAD)
- 高分子ポリマー (P3HT, PEDOT)
- ペロブスカイト (CH3NH3PbI3)
- 色素増感太陽電池のフィルム化技術
- 色素増感太陽電池のモジュール化技術
- 蓄電型色素増感太陽電池
- 大型サブモジュール
- 色素増感太陽電池の実用化動向