ガラスとガラス、ガラスと異種物質の接着、封着に関する基礎と応用を述べる。
ガラスの接着には室温で有機接着材を用いる方法と高温で融着する方法がある。有機接着材を用いる方法は、温度変化が非常に小さい光学デバイスなどの製造にとって重要である。使用時に高温から低温の広い温度範囲で用いる場合には高温融着が必要である。
本講座では高温融着に関する解説を行う。
- ガラスとは何か?
- ガラスの熱力学的考察、ガラスの原子配列、安定融液、過冷却融液
- ガラスの熱膨張、ガラス転移温度
- ガラスの製造原理、製造法
- ガラスと結晶の比較
(粒界、光学的性質)
- ガラスの粘度と温度、ガラス組成との関係
- 過冷却融液の密度、熱膨張、結晶への転移 (結晶化)
- ガラスのDTA曲線
(ガラス転移温度と結晶化)
- 低融点ガラス
- 低融点ガラスとは何か?
- 低融点ガラスの化学組成
(酸化鉛を主成分とするガラス、酸化ビスマス系ガラスなど)
- 低融点ガラスの応用例
- 有害物質 (例えば酸化鉛) を含まない新しい低融点ガラスの開発
- ガラスの接着、接合 ~化学組成の類似性~
- [ガラス – ガラス]、[ガラス – 異種物質]の接合例
- 接合に重要な因子
(接触角、化学組成、熱膨張係数など)
- 化学組成の類似性
(よく接着する例、接着しない例)
- 琺瑯 (ほうろう) の接着機構
- 低融点ガラスのフリットを利用した接着
- 酸化還元反応を利用した接着
- 標準生成自由エネルギー
- 界面での酸化還元反応、反応生成物
- ガラス – 金属の接合例
- まとめ
- 文献紹介