製品の感性価値の定量化と向上策

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プログラム

第1部 商品・製品開発における官能評価と定量化へのアプローチ

 商品企画や開発を行う際、ユーザーの感じる実感を正確に捉えることが重要になってきます。
ところが、主観による官能評価は、誰にでも取り組みやすいのですが、評価のやり方や条件設定によって被験者の回答が左右されやすいという課題も多く見受けられます。  このセミナーでは、人間工学的な考え方を元に、官能評価の基礎的な考え方や定量化アプローチについて解説します。

  1. 人間工学概論 お客様視点での商品開発について
  2. 官能評価手法の基本
    1. 人間工学概論
    2. 評価設計、計画概要
    3. ユーザビリティ評価手法について
      • 評価の流れ
    4. モニター数の設定
      • 評価手法
      • 評価手法の使い分けについて
      • 身体・動作計測の定量化手法について
      • 筋電図、視線計測、把持圧分測定について
    5. ユーザー評価時のポイント

第2部 触感の定量評価手法と製品開発への活かし方

 人が触れて使用する製品の場合、消費者のみならず、製品管理においても人の経験と勘によって評価を行っている場面が多くある。人の感覚を定量的に評価する手法として、1970年代に川端・丹羽らによって紳士服スーツ地の柔らかさ、なめらかさ、ふくらみとスーツとしての良し悪しの評価を、布の力学特性と表面特性から導く方法が開発され、実際に現場で使用されたという研究がある。  本セミナーでは、この触感の定量評価手法を基礎から解説するとともに、この方法を応用してその他の服種の織物、編物をはじめ、皮革製品、紙、不織布から成る製品などの触感にかかわる研究を紹介する。触感は、衣服であれば着心地、触って使用するものでは使い心地、シートならば座り心地などに直接かかわる感覚である。そのような複合的な心地についても触れる。

  1. 人の感覚
    1. 心地よさとは
    2. テキスタイルにおける感覚計測と評価
  2. 布の触感 (風合い)
    1. 布の触感・風合いの定義
    2. 触感の主観評価
    3. 布の特性
    4. 布の触感の定量評価
  3. 触感の定量評価方法の応用
    1. 衣料用織物
    2. 衣料用編物
    3. 皮革製品
    4. 紙・不織布製品
  4. まとめ

第3部 CMF加飾技術の動向と“先進性・高級感”などの表現事例 ~携帯電子機器を事例として~

スマートフォンなど携帯電子機器は、機能、造形が画一化し差別化が困難となっている。また、使われ方も変化し、常時携帯する、よりパーソナルな道具となってきた。
そのため、製品を薄く軽量に仕上げるための高剛性素材技術や、良い触感の表面仕上げに加え、差別化された先進性・高級感の表現などのCMF加飾技術が必要とされている。 本講では、実際の製品例を示しながら、携帯電子製品におけるCMF加飾技術の動向および、求める製品仕様・質感の表現とCMF加飾技術との結び付きについて検証する。

  1. 携帯電子機器と環境
  2. 携帯電子機器の加飾技術の動向
    1. 軽量・薄型化
      1. 炭素繊維シートのインサート成形
      2. マグネシウム板のシャープなプレス成形
      3. めっき、蒸着が可能なマグネシウムの成形
    2. 高級感の表現
      1. 高級感とは
      2. 先端素材のイメージ
      3. 金属感
      4. 手間がかかっている加工感
      5. 磁器の質感
      6. 心地よいシボ
  3. 携帯電子機器の加飾技術の今後の動向
    1. 透明柔軟材料
    2. 触感の追求
    3. 個性化
    4. ファッション化

第4部 消費者の嗜好性・感性を製品価値向上へ活かす考え方 ~実践的感性工学・デザイン評価~

 消費者の「好き」や「かっこいい」などの感性的な心理を、どのようにモデル化して、設計の知識や製品のコンセプトを策定する方法に適用するかを実践的に講義します。また、最新のコミュニケーションからの価値訴求についても言及します。

  1. 感性工学
    1. 論理と創造の関係
    2. 人間中心設計としての感性工学
    3. 感性工学の方法論
  2. デザイン評価
    1. 無自覚とデザイン
    2. 認知評価構造
    3. デザイン設計知識の獲得
    4. 区間分析とラフ集合による構造解明
    5. パッケージの事例
    6. 開発初期段階でのデザイン評価法
    7. 筆記用具の事例
  3. コミュニケーションと感性・デザイン
    1. 価値はコミュニケーションで決まる
    2. 事例・キットカット/無印良品、他
    3. 見た目の使いやすそうなデザイン
    4. 感性情報による訴求

第5部 高級感・高触感のモバイル商品への落とし込み方・考え方

 134年前から「Better Products and Better service」を掲げ、通信事業を通じて人と暮らしを豊かするソリューションを提供してきたNEC。現代社会が求める機能性と人が求める感性の境界において、デザインから「視覚的と触覚に訴えるデザインの事例」をご紹介します。

  1. Nケータイ=日本電気と「気」の関係 ~社名から覚えるデザインミッション~
    • → 電気、電機、電器と様々な社名が競い合う市場において「デンキ」の意味を再確認することの大切さ。
  2. NECのケータイ、その20年の歴史変遷 ~時代を彩ったNEC製の端末たち。~
    • → 自動車電話から進化した携帯電話。その時代背景と求められたデザイン性を振り返る。
  3. クラムシェル (折りたたみ) に込められた意味 ~薄さと洗練へのこだわりデザイン~
    • → 持つ・運ぶ、文字通り「携帯」に相応しい解決策に込められたデザインメッセージの数々。
  4. 高級感の創出とデザイン戦略の導入 ~「エレガントスリム」とデザインブランディング~
    • → 日本・女性・男性のライフスタイルを見つめて生み出した薄型端末とCMFの差異化。
  5. 選択肢の創出とデザイン ~iPhone時代におけるスマホ市場の作り方とコラボレーション~
    • → マルチプルーフ「One piece」限定モデルのアプローチとサンプル事例の展示。

第6部 化粧品パッケージの消費者効果 ~新カテゴリー創造のための手法「感性記憶型パッケージング」~

 日本の化粧品市場は成熟・飽和している上に、異業種からの参入も相次ぎ、競争が激化している。コミュニケーション媒体はマス宣伝に加えWEBやSNS、テレビショッピングなど多様化している。このような市場環境において、最も基本的かつ本質的でリアリティーあるコミュニケーション力を秘めている媒体として見直すべきなのが商品パッケージである。  本セミナーではこのような観点から特に新カテゴリー商品で有効といえるパッケージング手法「感性記憶型パッケージング」について、いくつかの事例を取り上げながら紹介する。

  1. 国内市場の今
    1. 情報流通量の推移と情報爆発
    2. 情報氾濫社会における消費者行動:選択的露出
    3. 膨大な新製品・・・ヒット商品を生みにくい時代
    4. 成熟市場と商品のコモディティー化
    5. カテゴリー・イノベーションがブレイク・スルーの鍵
  2. 「置くだけで売れた」 デオドラント Ag+
    1. 殺菌消臭デオドラントという新カテゴリー
    2. 市場背景と着眼点
    3. 商品開発のポイント
    4. 発売後の反応とPOSの動向
  3. お客さまのバイアス
    1. 私たちの感覚のバイアス
    2. 現実世界と認知世界
      1. カテゴリー知識
      2. 消費者効果プロセス AIDMA、AISAS、AITRA
      3. 潜在意識下の意味ネットワーク
    3. メタファーと意味ネットワークの体感実験
    4. プライミング効果と意味ネットワークの活性化拡散
  4. Ag+が売れた理由
  5. 「感性記憶型パッケージング」とは?
  6. まとめ 今、パッケージに着目するべき5つの理由

第7部 自動車内装のカラー/マテリアル・コーディーネーションの近況と背景となる顧客期待の考察

 かつては先進国市場がグローバルでイニシアチブを取ることにより比較的シンプルだった商品の価値観トレンドが、異なる方向性を持つ複数の新興国市場の成長に加え、先進国内で起きている市場成熟と衰退による分化が同時並行で進行することで、プロダクトはこれまで以上に合理的な多様性の追求を求められている。  ここでは、デザイン開発~商品戦略の視点から 顧客期待に応える内装カラーや加飾要素のキャラクター表現と 品揃えについて参考となる具体的な事例を考察、お客様にとっての商品価値や作り手の狙いを解り易く解説する。

  1. 自動車内装における、カラー/素材感コーディネーションの近況
    • → 現在 (~今後しばらく) 、商品性上重要と考えられるカラー、マテリアルとフィニッシュの事例とフォーカス・ポイントの解説
  2. トレンド (前項1) の背景となる市場 (顧客) 期待の把握
    • → 先進国消費のマインド分化と 新興国市場の期待
  3. 作り手 (商品開発~供給者) の意図と課題
    • → 顧客期待 (前項2) の合理的な達成に向けた手法の切り口

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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