本セミナーでは、水素利用、製造、貯蔵、輸送について最先端の研究・プロジェクトに関わっている方々の生の声に加え、投資的な視点から、4大都市圏と地方での水素社会実現性について講演いただきます。
本セミナーでは、水素利用、製造、貯蔵、輸送について最先端の研究・プロジェクトに関わっている方々の生の声に加え、投資的な視点から、4大都市圏と地方での水素社会実現性について講演いただきます。大市場「水素社会」における事業機会、製品開発のヒントをお持ち帰りいただければ幸いです。
金田 武司 氏
(2013年11月13日 10:30〜11:25)
我が国は、エネルギー自給率が極めて低く、諸外国とエネルギー的にインフラが繋がってないなど特殊な環境にある。このため、3.11以降環境改善と共にエネルギーセキュリティーの重要性が特に指摘され、多様なエネルギー源から生産できる水素の特性が注目されている。新たなエネルギー源としての水素の利活用は国毎にその考え方は大きく異なる事から水素社会へのシナリオも異なったものとなっている。 本講演では、我が国と諸外国の水素社会実現に向けたシナリオ、技術開発・事業化の方向性についてその違いを元に解説する。
大仲 英巳 氏
(2013年11月13日 11:30〜12:25)
燃料電池自動車 (FCV) の研究開発は近年著しく進化し、2015年から一般のお客様への販売が開始されようとしている。ここでは、水素、燃料電池開発の意義とFCV市販化に向けた課題とその解決への技術の進捗状況や、インフラ整備を含めた動向について解説する。
宮崎 淳 氏
(2013年11月13日 13:25〜14:20)
本年より、経済産業省の「燃料電池自動車用水素燃料供給設備設置補助事業」が開始され、いよいよ商用水素ステーションの先行整備に着手されようとしている。 これまでの実証プロジェクトの推進により多くの課題を解決し、商用水素ステーションとしての基礎は固まりつつある。 岩谷産業はドイツLINDE社のイオニックコンプレッサーの技術導入をベースにして、液化水素による水素貯蔵方式を標準とした水素ステーションの整備を目指している。その技術的な優位性と水素ステーションの整備に向けた取組み及びその課題についてご報告する。
岡田 耕治 氏
(2013年11月13日 14:25〜15:20)
東邦ガス (株) は、2002年に自社研究所内に中部地区初の水素ステーションを建設して以来、これまで5件の水素ステーションの建設・運用を通じて、水素ステーションの実用化に取り組んできた。 今回、当社における技術開発と実証における取組み状況や、昨年度完成した最新の70MPa水素ステーションの事例を含めた水素インフラ構築に向けた課題と対応等について、ご紹介する。
谷口 浩之 氏
(2013年11月13日 15:25〜16:20)
三菱化工機の水素製造装置は、都市ガスやLPGなどを原料に水蒸気改質で水素を発生させ、PSAで高純度水素を精製する。1964年に大型の水素製造装置を建設して以来、国内外に多数の実績を有し、最近では小型で高効率な水素製造装置「HyGeia (ハイジェイア) 」を、オンサイト水素ステーションに納入するケースが増えている。 水素ステーションの運用形態上、水素製造装置に要求される装置仕様は従来の工業用途と異なる。そのため新たに水素ステーション用水素製造装置「HyGeia-A」を開発したので紹介する。さらにオンサイト水素ステーションの特徴と、普及の可能性を述べる。
西村 眞 氏
(2013年11月14日 10:30〜11:25)
原発事故後の日本のエネルギー・セキュリティーを如何に再構築するかが焦眉の急である。 シェールガス革命で小康を得ている間に、エネルギー自給率が4%しかない日本は、地域におけるエネルギーの地産地消を基盤に自給率を上げていく一方、水素社会実現に向けた活動を行うことがセキュリティー構築に繋がる筋道を解説する。
庄司 真史 氏
(2013年11月14日 11:30〜12:25)
燃料電池自動車 (FCV) は、燃料電池を動力源とし水のみを排出する、究極のエコカーと呼ばれています。トヨタ、ホンダ等日本の大手自動車会社各社は2015年のFCV市場投入を目指しており、同時に4大都市圏を中心に、水素ステーションも整備予定です。 一方、現在、水素は、主に臨海工業地帯での石油精製や製鉄等の工場からの副産物として生成されており、今後燃料電池車の普及が全国に広がれば、臨海部からの輸送コストをボトルネックとしない「地産池消水素」の生成が必須となります。 まず、エネルギー分類の中での、水素の位置付けを確認します。一般的に「水素=クリーンエネルギー=再生可能エネルギー」のような誤った理解が浸透しているように見受けられますが、ここでは水素はエネルギー通貨なので、1次エネルギーではありません。2次エネルギー、つまり、エネルギーの媒体であり、水素と電力の相互変換が可能であることを確認します。その上で、水素が次世代エネルギー通貨の本命になり得る理由を考察します。 水素が次世代の2次エネルギーの本命になる可能性がある一方、別の大規模化学反応の副産物とはいえ、水素を化石燃料から生成している限り、LCAベースで見た際には、真のクリーン・エネルギーとは呼べません。従って、今後「クリーン水素」への需要が高まっていきますが、エネルギー変換・貯蔵効率を考えると、太陽光や風力等、どのような原料から水素を生成するのが効率的かを考える必要があります。一つの提案として、日本で増加し続けている、未利用木材を活用した、熱分解からの水蒸気改質反応による「バイオマス水素」生成を例に挙げ、経済合理性を有する事業として成立するものとして説明します。 登壇者は水素生成技術のプロでも燃料電池車技術のプロでもありません。しかし、米系大手投資銀行出身者として深いファイナンス経験を持ち、また、技術投資分野で、多くの技術ベンチャー企業の支援に従事していることから、経済的に成立しえるプロジェクトとしての「バイオマス水素」事業を考察し、議論を進めます。
亀田 常治 氏
(2013年11月14日 13:25〜14:20)
環境負荷低減やエネルギーセキュリティの観点から、再生可能エネルギーの導入が世界的に進んでいる。 太陽光・風力など変動の大きい発電を電力系統に大量導入するためには、余剰電力の貯蔵など、大容量・長時間の電力貯蔵技術が必要となる。水の電気分解による水素の製造・貯蔵で“蓄電“し、水素を用いた発電で“放電“する「水素電力貯蔵システム」は、こうした運用に適している。 高い充放電効率が望める固体酸化物形セルを電解/発電に用いたシステムについて、要素技術の開発状況や経済性評価を述べる。また、英国での実証実験についても概要を紹介する。
三宅 明子 氏
(2013年11月14日 14:25〜15:20)
水電解方式による水素製造は、高圧ガスボンベ代替のオンサイト水素供給装置として、半導体分野など高純度水素ガスの用途にとどまらず、燃料電池自動車向け水素供給ステーションや、再生可能エネルギーの電力を水素に変換貯蔵する手段としても期待されている。 本講演では、水素社会の実現に向けた水電解メーカとしての取組みを紹介し、水素製造コスト低減のための課題や将来的な経済性評価の見通し、今後の展望について概論する。
岡田 佳巳 氏
(2013年11月14日 15:25〜16:20)
千代田化工建設では水素の大量貯蔵輸送技術の確立を完了し、水素キャリアとして用いる有機ハイドライドは「SPERA水素」と命名され、実用化段階に移行している。本講座では、SPERA水素技術の概要と本技術を通じての水素社会実現の可能性について述べる。