第1部:『プラスチック製プレフィルドシリンジの材料特性と設計』
(2013年10月25日 10:30〜12:45)
プレフィルドシリンジ製剤は、薬液との安定性の面からガラスが一般的であったが、バレルに使用可能な樹脂が見出されて以来、破損防止や加工のしやすさからプラスチックバレルのプレフィルドシリンジが普及してきた。
今回シリンジ材質選定に必要な試験項目とプレフィルドシリンジに汎用されてきたプラスチック材質の特性と品質基準、市場でトラブルを発生させないための設計時の留意点ならびに品質・機能の評価方法について演者の経験を踏まえて紹介する。
- キット製剤の定義とプレフィルドシリンジの利点
- プレフィルドシリンジの材料特性と設計
- シリンジ材質の品質基準
- ガラス容器試験,プラスチック容器試験,新規バレル樹脂の生物学的試験
- プラスチックバレルの材質
- シリンジバレルに使われる樹脂の特性
- プレフィルドシリンジのバレルに使われる樹脂 (PP、COC、COP) の特性
- ガスケット材質
- バレル (ガラス、プラスチック) 設計上の留意点
- バレル設計上の留意点
- 硝子シリンジの破損部位と防止策 (例)
- 使用性に関する設計時の留意点
- プラスチックバレルの滅菌による寸法変化
- ガスケット、トップキャップ設計上の留意点
- ガスケット径と密封性
- シリコン塗布量の使用性 (摺動性・微粒子) への影響
- トップキャップの密封性
- トップキャップのシリコン塗布量と開封性
- 設計時の主な品質・機能評価
- プレフィルドシリンジ製剤の製造方法
- プレフィルドシリンジへの機能付加
- 機能付加 (セイフティー機能,皮内投与,ペンタイプ等) の事例紹介
- 無針注射
- ICタグ,磁気ラベル貼付シリンジ
第2部:『プレフィルドシリンジの規格・判定基準と製造ラインの構築~高機能・高品質・摺動性確保をふまえて~』
(2013年10月25日 13:30〜16:00)
年々高まるプレフィルドシリンジ製剤に対する要求品質を確実にクリアーし、高機能・品質・低コストを実現させる次世代のPFS製造ラインへと大きく飛躍しステップUPする事を目指す上で、“オペレーターの介在を可能な限り抑え、ヒューマンエラーの発生を“ ゼロ ” に抑える事が必須条件であり、設計コンセプト/フィロソフィーをしっかりと定めながらエンジニアリング業務に取り組む事が重要なポイントとなる。
はじめに
- 注射剤/ プレフィルドシリンジ製剤を取り巻く環境
- プレフィルドシリンジ容器に求められる高い機能,品質
- プレフィルドシリンジ製剤で規格を作成する際のポイント
- プレフィルドシリンジ容器が抱えている数多くの問題点
- プレフィルドシリンジ容器の加工品質に対する管理
- 医薬品メーカーの視点で捉えた最適なプレフィルドシリンジ容器,並びに製造ラインの設計
- 製造現場を取り巻く環境,並びに抱えている様々な問題点
- 次世代の注射剤棟を構築する目的/ 設計コンセプト/ フィロソフィー
- バリアアイソレーターシステムの導入
- MES&SCADA システムの積極的な活用,並びに大変ユニークな機能に関して
- 3 次元的なエンジニアリング手法/Gravity Transfer System (G・T・S) の構築
- Self Navigation System (S・N・S) の構築
- Self Assessment System (S・A・S) の構築
- IT 化を図り,Process Control Technology 機能を兼ね備えた信頼性の高い医薬品工場の構築
- プレフィルドシリンジ製剤の基本的な製造フロー
- 1 次包装,2 次包装ラインの基本的な製造フローに関して
- 1 次包装/ 直接容器のDQ 作業における参考事例
- 2 次包装・ラベル貼付&ピロー包装のDQ 作業における参考事例
- 斬新,且つユニークな機能に関して/Equipment Innovation & Operational Excellence
- 高攪拌,高分散機能を兼ね備え省人化・省力化に優れた無菌注射剤調製システムに関して
- シリコン塗布量のバラツキに起因する摺動性不良品の発生・流出を“ゼロ”へ
おわりに