ピンチテクノロジー実践入門

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リーマンショック前後のエネルギー価格の乱高下の後、現在は高止まりの状況がしばらく継続すると見られている中、産業競争力の維持回復における省エネの重要性はこれまでになく高まっている。ピンチテクノロジーは熱力学に基づく熱交換ネットワークの解析手法として第1次オイルショック後の70年代後半に誕生して以来、プロセス単体の熱回収問題から工場全体のエネルギーシステムの合理化、さらにはコンビナートのエネルギー共有問題に至るまで、その適用範囲の拡大を続けている。さらに高度な企業間連携問題においても、エネルギーと物質のネットワークを同時に解析する手法も確立されている。ピンチ解析手法の最大の特徴は「Target before design」、すなわち設計作業を行う前に、そのシステムが達成可能な省エネ量を示せることである。これによって効率的な検討対象の絞り込みが可能となり、また広い範囲で相乗・相殺効果を検証しながら間違いのない省エネ投資を計画・実施することが可能となる。今回の講座では、ピンチテクノロジーの手法体系全体を網羅しつつ、そのエッセンスを実例も交えて解説する。

  1. イントロダクション
    • (ア) 昨今のエネルギー事情と省エネの経済性
    • (イ) ピンチテクノロジーの特徴と実績
    • (ウ) ピンチテクノロジー技術体系
  2. ピンチテクノロジーの基礎
    • (ア) 検討手順
    • (イ) ピンチ解析基礎手法 (例題プロセス)
    • (ウ) 熱交換ネットワーク設計手法
    • (エ) ピンチ解析に必要なデータ
    • (オ) プロセス改善による省エネポテンシャルの拡大
    • (カ) 蒸留・蒸発操作のインテグレーション法則
    • (キ) ヒートポンプ・ヒートエンジンのインテグレーション法則
    • (ク) 蒸留塔の熱解析 (CGCC解析)
    • (ケ) 低温プロセス解析方法
  3. ピンチテクノロジーによる工場エネルギーシステムの解析・設計法
    • (ア) 工場エネルギーシステムの省エネ課題
    • (イ) トータルサイト解析手法 (R-Curve、SSSP、RoadMap) と適用事例
    • (ウ) ヒートポンプ適用性診断方法
    • (エ) 検討の進め方
  4. 最近のトピックス
    • (ア) コンビナートのエネルギー共有問題へのピンチ解析法の適用
    • (イ) 物質系ピンチ解析 (水ピンチ、水素ピンチ、等)
    • (ウ) エネルギー用役系 (動力・蒸気システム) の運転最適化
    • (エ) 最新のピンチ解析ソフトウェアの紹介
    • (オ) 物質とエネルギーを同時に扱うコプロダクションピンチ解析の手法と事例
    • (カ) エネルギーマネーメントシステム

会場

大田区産業プラザ PiO
144-0035 東京都 大田区 南蒲田1-20-20
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