米国の主力IT企業が次なる巨大市場を求めて、テレビに照準を合わせつつある。グーグルはテレビに差し込むだけでネット端末化できる小型装置「Chromecast」を発売。アップルは本格的なスマートTVを開発中と噂され、フェイスブックは15秒の動画広告でテレビCM市場を奪取しようとしている。また、インテルやソニーも独自のアプローチを模索している。 1990年代のマイクロソフト「ウェブTV」から最近の「グーグルTV」まで、米IT企業のテレビ進出はお世辞にも成功とは言えない。テレビ・ビジネスは、米国を中心とする世界的メディア・コングロマリットが強力にコントロールしており、これまではアップルのような有力企業をもってしても、既存勢力に抗して画期的な新製品・サービスを実現することは難しかった。 しかし最近になって、漸くIT業界が独自の映像コンテンツやタレントを育成する動きが生じるなど、徐々にではあるが変化の兆しは現れている。彼らは各々の切り口からテレビ産業に食い込もうとしているが、時代の転換点におけるそれらのポイントを紹介・解説するとともに、日本のメディア産業に与える影響を考える。 (脚注)