現代のITを象徴するクラウドとモバイル。この二つの進化は、処理可能な「情報」の量と範囲を飛躍的に拡大させ、エクサ (10の18乗) のレベルに及ぶ膨大かつ複雑なデータ集合、いわゆるビッグデータの収集・解析を現実のものにしつつある。
この三つのクラウド×モバイル×ビッグデータは、様々な自然現象・科学分野における調査・解析から、農業をはじめとする第一次産業から第三次産業活動に至るまで、あらゆる事象の分析を可能にし、産業、人間活動、社会構造全体に大きな変革をもたらす可能性を秘めている。
インターネットの勃興以降、世界のITを牽引し、クラウド×モバイル×ビッグデータについてもGoogle・Amazonに代表される革新的なソリューションを生み出し続ける米国。これに対し、かつては半導体とコンピューター分野の最先端をリードした日本が、この分野で存在感を発揮出来ないのはなぜか。そして、姿を現しつつあるクラウド×モバイル×ビッグデータを最大限活用した新たなIT社会、いわば「情報2.0」とも呼ぶべき新時代において、ビジネスの現場では何が求められるのか。
本セミナーでは、この分野の最先端で活躍されている、デロイト・トーマツの八子様、Amazonの小島様、NTTドコモの栄藤様をお招きし、前半にクラウド×モバイル×ビッグデータを巡る最新状況の解説を、後半に二つの問いをテーマとしたパネル・ディスカッションを行い、クラウド×モバイル×ビッグデータがもたらす近未来像と、私達が抱える課題・目指すべき方向性を探る。
山下計画 (株) 代表取締役
山下 哲也 (やました てつや) 氏
(2013年10月29日 15:00〜15:05)
本セミナー趣旨解説・イントロダクション
デロイトトーマツコンサルティング (株) パートナー
八子 知礼 (やこ とものり) 氏
(2013年10月29日 15:05〜15:25)
筆者がかねてから提唱してきたモバイルとクラウドを組み合わせた世界観、モバイルクラウド。スマートデバイスのみならず、多様なデバイスが展開されつつあり、それらが活動を通じて大量のデータをはき出している。どのような使われ方をしたデバイスが、どのようなビッグデータとなるか、それをどのように活用できるか、活用する際の課題はなにか概説する。また、迫り来るモバイルクラウド2.0の世界観についても言及する。
アマゾン データ サービス ジャパン (株) マーケティング本部長
小島 英揮 (おじま ひでき) 氏
(2013年10月29日 15:25〜15:45)
クラウド、モバイル、ビッグデータとITの世界では新しい潮流が次々と出てきている。しかし、大事なことはこうした潮流に乗ることではなく、ビジネスの目的のために最適な潮流を選択、活用し、目的への近道をすることである。 本セッションではクラウド、モバイル、ビッグデータの利用者であり、サービス提供者でもあるAmazonの事例と概要をご紹介することで、新潮流を泳ぎ切るためのヒントをご提供する。
(株) NTTドコモ 執行役員 研究開発推進部長
栄藤 稔 (えとう みのる) 氏
(2013年10月29日 15:45〜16:05)
モバイルサービスでは何千万ユーザーのパーソナライゼーションを取り扱うため全データ処理が必要で、扱うデータは日々ペタバイトを超えるビッグデータとなる。その際「なんちゃってビッグデータ×なんちゃってデータサイエンティスト」ではできない本来ビッグデータ処理とは何かについて議論したい。統計的予測ならサンプリングで解決できる。極低頻度の振舞いの検出から近未来予測ができることがビックチャレンジとなるであろう。
(2013年10月29日 16:15〜17:00)