分光情報と光反射モデルに基づいた画像計測技術とコンピュータグラフィックス (CG) 再現技術の講義を行います。これは具体的には、物体をカメラで計測して、それをCGで再現する技術です。
たとえば、美術品や人の肌をデジタルカメラで計測して、それを自分の好きなシーン (照明や場所)や視点を想定して、CG映像で再現できる技術です。
さらに、この技術を応用すれば、デジタルカメラを「物体表面の様々な状態を計測する計測機」として使用できる可能性を持ちます。そういった技術の応用方法にも触れたいと考えています。
- デジタルカメラを用いた分光画像計測
- 分光情報 (スペクトル情報) とは
- 分光で表現できるもの
- 分光情報に基づいた色再現
- 分光情報が分かれば物体表面の様々な情報がわかる
- カメラを分光計測器として使う
- 分光的なキャリブレーションの方法
- 分光画像の計測の原理
- RGBカラーカメラとマルチバンドカメラ
- デジタルカメラを用いた物体表面の
「材質 (光沢・陰影) 」と「形状」の計測
- 反射モデルによる反射特性 (光沢や陰影) の定量化
- 反射特性の計測
- 反射モデルを用いた物体形状の計測
- 照度差ステレオ法
- デジタルカメラで全方位のシーン照明を計測
- シーンの照明光の重要性
- 物体の見え方は照明光源の影響に依存
- 今見ているものを違う照明光源下で見たらどうなる?
- カメラで照明光を測る
- 光源の分光分布の計測
- 光源の空間分布の計測
- 計測データに基づいた物体のCG再現
- 今まで計測した情報を統合して物体をCGで再現
- Graphics Processing Unit (GPU) を用いて複雑な反射特性を持つ物体をCGで再現
- 応用
- 美術品のデジタルアーカイブ
- 美術品の光沢を測り、CGで再現する。 – 日本刀デジタルアーカイブ -
- 肌のCG再現
- 肌の色をデジタルカメラで正確に測る
- 任意のシーンで人の肌をCG再現する
コンサートホールでは、自分の肌はどのように見えるのだろうか?
- スマートフォンへの応用
- 「お肌チェックアプリ」への応用
スマホのカメラで分光計測できれば、お肌の様々な情報をスマホで測れるのでは?