リチウムイオン二次電池および各部材の技術開発動向と劣化解析

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プログラム

第1講 リチウム系二次電池の技術ロードマップ

~材料技術から見た課題を中心に~

(2013年11月13日 10:30~12:00)    民生小型用途で、現在最も高いエネルギー密度を有するリチウムイオン電池であるが、用いられる電極活物質や構成部材は極めて多様な候補が存在しており、性能や信頼性、耐久性を検討する上で、材料の選択とそれらを使いこなす技術が極めて重要となっている。一方、最近では、中・大容量用途として、ハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車、電気自動車などの電動車電源用途や、定置用蓄電池など、利用分野の拡がりに伴い、それぞれの用途に向けた要求項目・特性を満たすリチウムイオン電池の実現が求められている。  本講では、リチウムイオン電池を中心とする蓄電池系の技術ロードマップについて、特に、電極活物質を中心とする構成部材の現状と課題、開発動向を中心に述べるとともに、ポストリチウムイオン電池の開発ロードマップの背景と考え方、各候補蓄電池系の課題について紹介する。

  1. リチウムイオン電池の開発史 (リチウムインサーション材料の探索と応用)
  2. エネルギー分野 (車載用・定置用) への応用時の蓄電池の課題
  3. リチウムイオン電池構成部材の現状・開発動向
    1. 負極材料
      1. 黒鉛・炭素系負極
      2. 合金系負極
      3. 酸化チタン系負極
    2. 正極材料
      1. 酸化物系正極
      2. ポリアニオン系正極
  4. 革新型蓄電池が求められる方向性
  5. ポストリチウムイオン電池の実現への技術ロードマップ
    1. Li/S 系電池
    2. 金属-空気電池
    3. 多価カチオン電池
  6. まとめ

第2講 無機固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池

(2013年11月13日 12:45~14:15)

 低環境負荷を実現できる新エネルギーの創製や変換技術に対する関心が高まっている。利用形態として最も有用な電気エネルギーを物質の持つ化学エネルギーとして蓄える二次電池は、最も重要なエネルギー変換デバイスの一つである。このような中、電気自動車に代表されるエコカーの普及にむけて、全固体リチウム二次電池をはじめとする革新的蓄電池の研究が本格化している。無機固体電解質材料は、これら革新的蓄電池の成否を担うキーマテリアルとして位置づけられている。無機固体電解質内ではリチウムイオンによるシングルイオン伝導が可能で、この性質がこれら革新的蓄電池の安全性や信頼性を高めているからである。  これまで筆者らは、無機固体電解質材料として、電解液に匹敵する高いリチウムイオン伝導性を有する硫化物ガラス系材料を開発し、それを電解質として用いた全固体リチウム二次電池の試作と評価を行ってきた。ここでは、開発された硫化物系ガラスセラミックス固体電解質とそれを用いた全固体リチウム二次電池の概要について述べる。

  1. はじめに
    1. 革新的蓄電池としての全固体電池
    2. ガラス系固体電解質材料のメリット
  2. 硫化物系固体電解質材料
    1. 無機固体電解質材料としての硫化物ガラス系材料
    2. 高リチウムイオン伝導性硫化物ガラスセラミックスの創製
    3. 硫化物固体電解質材料の大気安定性
  3. ガラス系固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池
    1. 全固体電池の基本構成
    2. 典型的な電極活物質を用いた全固体電池
    3. 全固体電池の界面構造
  4. 高容量電極材料を用いた全固体電池
    1. 活物質-固体電解質界面の構築
    2. 硫黄系正極を用いた全固体電池
  5. おわりに まとめと展望

第3講 リチウム二次電池部材の劣化解析

(2013年11月13日 14:30~16:00)

 リチウムイオン電池 (LIB) は小型電子機器から電気自動車まで、幅広く活用されており、様々な電池の中で最も注目されている。  本講演ではLIB構成部材である電極活物質、バインダー、電解液などの劣化解析に用いる様々な分析手法について紹介する。また、高温耐久試験セル、長期使用セルなどの劣化評価について、事例を中心に紹介する。

  1. はじめに
    1. リチウムイオン電池の概容
    2. リチウムイオン電池の構成部材、および部材の構成成分
    3. リチウムイオン電池の構成部材の素材分析
  2. 劣化解析
    1. 不活性雰囲気下での解体分析の流れ
    2. 各種部材の劣化解析
    3. 長期使用セル、高温耐久試験セルの劣化解析事例
      1. セル内部ガスの組成分析 (GC,GC/MS)
      2. 電解液の変成物の組成分析 (GC/MS,NMR,LC/MS/MS,IC/MS)
      3. 負極活物質被膜の表面分析 (XPS,TOF-SIMS)
      4. 負極活物質表面堆積物の分析 (NMR)
      5. 正極活物質表面の分析 (HAADF-STEM、STEM-EDXなど)
      6. 正極活物質結晶構造 (XRD)
      7. 正極活物質粒子のLi分布評価 (顕微ラマン)
      8. 電極活物質の価数評価 (XAFS)
      9. 電極バインダーの劣化評価 (固体NMR,燃焼IC)
      10. セパレータの劣化評価 (FT-IR)

会場

大阪市立中央会館
542-0082 大阪府 大阪市 中央区島之内2丁目12-31
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