2013年9月5日から開催されるIFA2013と、2013年9月12日から開催されるIBC2013をベースにして、IFAではこれから登場するテレビやスマートフォンなどの機器の状況を知り、それを受けて放送業界はどういったシステムやソリューションを構築していくべきなのかをIBC2013で確認をしてきます。
2つの展示会に3年連続で参加し、CES、NABなども踏まえた全体のトレンドを紹介します。その上で、日本のHybridcastやマル研の動向を比較検討して、日本ではどういうことが現実解なのかを考えます。
特に、もう間近に迫りつつ有るテレビ局のマスター更新などにおいて、必要不可欠な要件などを指摘したいと思います。
※なお講義項目はIFA2013とIBC2013の状況によって最新のものに変更することがあります。
1. IFA2013レポート
4Kテレビ、スマートテレビ、マルチスクリーン、IPTVなどにポイントを絞って、最新の展示内容をレポートします。1月に開催されたCESからのトレンドなども分析します。
- 4Kテレビ
- 画質の向上と価格の低下。超解像の画質など、普及フェーズに入り始める
- 4Kテレビについて各社の状況を報告します。
- スマートテレビ
- GoogleがChromecastを発表しました。IFAでGoogleの出展はありませんが、
テレビ内蔵型、STB型、スティック型などの方向性を可能性を中心にお話します。
- マルチスクリーン
- 欧州はマルチスクリーン先進国です。テレビ、パソコン、スマートフォン、タブレット、カーナビなどがどのように連携していくのかをレポートします。
- スマートフォン
- スマートフォン=スマートテレビといったトレンドもあります。
- Miracastの状況や、「アプリ」がテレビにどのように関わってくるのかを考えます。
- その他
2. IBC2013レポート
ここ数年の傾向として、NABよりもIBCの方が先進的な展示が目立ちます。これは欧州ではマルチスクリーンによる視聴スタイルが、アメリカよりも普及が早いことによるのだと思います。
- 4Kテレビ
- さらに手軽になるであろう4Kカメラをレポートします。
- 4Kモニター
- 業務用やマスターモニターの4K対応状況などをレポートします。
- 4Kエンコーダー、伝送システム
- 特にH.265 HEVCリアルタイムエンコーダーの最新状況をレポートします。
- マルチスクリーン対応のCMSや営放システム
- この辺りが最も欧州が進んでいる領域です。日本との事情の違いを踏まえながら、最新のソリューションをじっくりと考察したいと思います。
- 4K SHV
- NHKがスーパーハイビジョンの展示を行います。どちらかと言うと人々の反応をレポートしたいと思います。
3. 日本でやるべきこと、できること
上記の欧州でのトレンドを踏まえた上で、日本ではどうするべきか、放送業界側の思惑と、視聴者側の視聴スタイルの変化という両面から考察します。
- グローバルで見るとHybridcastはどういうポジショニングになるのか
- 日本型のセカンドスクリーン、マルチスクリーンとはどういうものが望ましいか
- タイムシフト視聴ニーズはどれくらいあって、それをどう考えるのか
- プレイスシフト視聴のニーズはどれくらいあって、それをどう考えるのか
- 全録機がダメな理由とクラウドDVRに関する考察
4. 質疑応答/名刺交換
参加されるのは放送局さんや関連メーカー、システム会社さんだと思います。日本のテレビはどこ向かうべきなのか、Chromecastやスマートフォンに全てを持って行かれてしまうのか、といった論点で、ご質問をお受けしたり、ディスカッションが出来ればと思います。日本におけるこの領域は個々の競争に入る以前の問題で、どちらに向かうべきのかを議論することが、現時点ではまだ重要ではないかと思います。