インクジェットインクは媒体に微粒子が分散した低濃度分散系あるいは低濃度高分子溶液としてモデル化されます。このセミナーでは低濃度分散系と高分子溶液のレオロジーをメカニズムに基づいて概説し、インクジェットインクのレオロジーコントロールのための指針について説明します。 インクジェットにおいてはバルクのインクから液滴が吐出されますが、このときインクには新しい液面が形成されます。また、インクは液体状態で紙やプラスチックなどに印刷され、乾燥や化学反応などを経て固体塗膜となります。この過程に密接に関連しているのはぬれ性に関する界面化学ですので、その基礎についても概説します。 さらに、実際のインクジェットインクにおける粘弾性と界面化学に関する測定例ついても紹介します。
インクジェットをはじめとして、現在マイクロメートルオーダーの大きさの液体を扱うプロセスが盛んに産業へと応用されています。しかしその典型的な時間スケールはマイクロ秒のオーダーであり、プロセスを支配する表面張力や粘性などの基本的な物理量をこの時間領域で計測することはいまだに困難、あるいはほぼ不可能です。 講演では微小液滴を生成する物理プロセスや、上記の基本的な物性値の超高速計測法について解説します。 さらに空中で微小液滴をハンドリングする新しい技術についても紹介し、インクジェットの将来像を考えます。