本講演では、酸化チタンの基礎物性と薄膜形成の原理・方法を解説した後、より効率的に酸化チタンの特性を引き出すために必要な薄膜形成要素について、我々がこれまで得てきた結果ならびに提案を含めて述べる。
また、多形の結晶構造をもつ酸化チタンを利用した高品質ヘテロエピタキシャル成長としてZnOを例に紹介する。
- 酸化チタンの基礎物性
- 酸化数と構造多形
- TiO2の結晶構造とエネルギーバンド
- TiO2の光活性特性 (光触媒性、超親水性)
- TiO2の導電性
- 薄膜形成法
- 薄膜形成の原理 (基礎過程:吸着~分解・泳動~脱離、結晶成長の3つのモード)
- 物理堆積法、化学堆積法、物理化学堆積法
- エピタキシー
- TiO2薄膜形成と高品質化
- 超親水性薄膜形成
- 熱CVDとプラズマCVD
- プラズマCVD法による親水性の顕著な改善
- 有機材料上への薄膜室温形成
- 高い親水性を得るための要素
- 超親水性酸化チタン表面の水の性質
- 高導電薄膜形成
- 薄膜形成に要求されること
- 多結晶薄膜での導電機構
- 高導電化の試み
- 構造多形を利用したバッファー層としての応用 (ZnOを例にして)
- ZnOの応用と問題点
- Ti2O3のエピタキシャル成長
- ZnO/Ti2O3/Al2O3のヘテロエピタキシャル成長