本セミナーでは、熱電変換材料・素子の基礎、フレキシブル熱電変換素子の研究開発の動向、また、有機熱電材料の基礎から将来展望までを解説致します。
(2013年10月18日 11:00〜12:30)
排熱利用発電への期待から熱電変換材料・素子への関心が高まっている。一般的な熱電変換素子は、ブロック状の熱電材料が2枚のセラミックス板にサンドイッチされた構造である。ほぼ全ての熱電変換材料が利用できること,発電原理に忠実で効率を低下させる要因が少ないなどの利点があるものの、機械的強度やコストの点での課題も指摘されている。 一方、このような従来型の熱電変換素子とは異なる、柔軟なシート状の“フレキシブル熱電変換素子”が近年幾つかのグループから発表され、注目されている。これらは、機械的強度やコスト、量産性などの点で従来型素子に比べて有利と考えられている。 本セミナーでは、熱電変換材料・素子の基礎について解説するとともに、フレキシブル熱電変換素子の研究開発の動向、応用が期待される分野を含めた今後の展望について述べる。
(2013年10月18日 13:20〜14:50)
衣食住にわたってエレクトロニクス未踏の領域はまだまだ多い。そこにエレクトロニクス発展の場を拡げるためには、プリンテッドエレクトロニクスなどに代表される「フレキシブルエレクトロニクス技術」を確立してゆかなければならず、今後多くの革新的技術が必要とされる。なかでも電源の問題は重要であり、フレキシブルデバイスにおいて必要最低限の電源を自ら確保できれば、応用範囲が格段に広がると考えられる。
人間が生活する限りは少なからぬ熱流が生じており、衣服や人間の住環境には必然的に内外温度差が生じている。この廃熱のごく一部でも電気エネルギーとして再利用できれば、センサーネットワークのための最低限の電子回路動作が維持できると考えられる。
本講演では、このような目的に向けたこれまでの研究を中心に、有機熱電材料の基礎から将来展望までを解説する。
(2013年10月18日 15:00〜16:00)
導電性高分子をはじめ有機系熱電材料は、軽量でフレキシブルであること、希少元素を含まないこと、無機材料に比べて製造コストが抑えられる可能性があること、などの利点から、従来の無機系熱電材料の低温域熱源への適用範囲を広げる材料・素子として、この数年で急速に注目が高まってきている。 一方で、新しい材料ゆえに素子開発では検討すべき課題が多い。そこで本セミナーでは、国内外の研究動向を踏まえつつ、当グループの導電性高分子材料の熱電変換素子応用に向けた研究開発の成果を紹介し、今後のさらなる高性能化に向けた課題を述べる。