本セミナーでは、従来の絶縁破壊現象の解釈を紹介した後、最新の測定結果に基づく絶縁破壊現象を紹介し、その観点から、絶縁材料改質により絶縁破壊特性を改善した例などを解説いたします。
高分子絶縁材料はあらゆる電気電子機器やデバイスに使用されているが、その高電界下における特性は不明な点が多く、予期せぬ絶縁破壊が発生することが多い。近年はコストダウンとダウンサイジングの目的により、絶縁層を薄くすることが求められ、結果として絶縁材料が高電界下にさらされ、絶縁破壊が生じることが懸念されている。一旦、絶縁破壊が生じると、通常、機器やデバイスの修復は困難であるため、絶縁破壊を予測もしくは回避する方法の開発が望まれている。
また、近年は絶縁材料には高温・高湿度環境、放射線環境といった過酷な環境下における使用にも耐え得る優れた絶縁性が求められている。さらに、自然エネルギー利用を目的とした、直流高電圧に耐えうる機器の開発のためにも、優れた絶縁材料が求められている。
このような背景のもと、近年は導電率測定や絶縁破壊測定といった従来の材料評価方法に加えて、空間電荷分布測定などの新たな測定技術により、これまで不明だった絶縁破壊メカニズムが、徐々に明らかになってきている。
そこで、本講演では、従来の絶縁破壊現象の解釈を紹介した後、最新の測定結果に基づく絶縁破壊現象を紹介し、その観点から、絶縁材料改質により絶縁破壊特性を改善した例などを紹介する。