本セミナーでは、耐熱性を向上させるための高分子設計のアプローチ、モジュールの開発状況について解説いたします。
低炭素社会の実現に向けてキーデバイスであるパワー半導体市場が急速に拡大している。SiCで代表される高効率なパワー半導体の開発が進む一方、その主役となるIGBT、MOSFETインバータを高効率に作動させるためインバータモジュールとしてのパワー半導体の実装技術が重要課題となっている。
講座では、カーエレクトロニクスを中心に、これからのインバータモジュール実装に要求される有機材料、特に封止材料や基板材料に適用される高分子材料の性能を予測する。
まず、高分子化学についての基本的な知識、例えば、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂、汎用プラスチックス、汎用エンジニアリングプラスチックス、スーパーエンプラ、基本的な重合などについて説明する。この後、汎用の実装材料であるエポキシ樹脂、ポリイミドについて高分子としての説明と封止材や多層プリント配線板への応用状況と最近の動向について紹介する。
さらに、物理的及び化学的観点から耐熱性高分子材料を実現するための分子設計、材料設計、必要とされる特性の評価技術について講義する。最後に、新しいコンセプトのもとに、研究を進めているベンゾオキサジン系、ビスマレイミド系そしてシアネートエステル系の耐熱性高分子材料を紹介する。